田舎の理学療法士

田舎の急性期大学病院勤務PT&大学院生PTのメモ用ブログ(2人で運営してます)

心肺運動負荷試験から考える運動処方の概念①

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は、そもそも論ですが、運動処方におけるベーシックなところを、何回かに分けてお話ししようかと思います。 そんなに難しい話は運動生理学者でない私も書けませんが、手元にある資料から提供できる情報をここに起こし…

脳卒中患者の体幹機能改善のための運動は効果があるのか!?

こんばんは。T-memoです。 久しぶりの体幹機能に関する記事になります。 早速タイトルの件についてお話しましょう。 www.ncbi.nlm.nih.gov Rosa Cabanas-Valde ́sらは脳卒中患者に対して行われた体幹トレーニングのRCTを集めました。(1966年〜2012年11月) …

第2弾:talk testの有用性について「talk testは本当に運動処方として使える?」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は前回の続きであるtalk testについて、実臨床で実践するに足る情報を集めて見たので、その紹介をしたいと思います。 ヒトは、運動によって産生されるCO2の増加や緩衝しきれずに血中の乳酸濃度が上昇した時に化学受容…

第1弾:talk testの有用性について「talk testとその生理学的背景」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 前回の最後に酸素摂取量と心拍数に関連する記事を書くと謳っておきながら、 今日のお題は堂々とtalk testです。 すみません、気になる記事をたまたま見つけてしまったのです。 と言う訳で、まずはtalk testに関連する生理…

第2弾「運動処方と自覚的疲労感について」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は前回のお話の続きである、修正borg scaleを運動処方として使うのってアリなの?といった内容のお話です。 よかったら前回の記事も見ていただけると話の流れが分かるかと思います。 t-memo.hatenadiary.jp 普段から…

第1弾「運動処方と自覚的疲労感について」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 だいぶ寒くなってきて、更新もスローペースになってきてしまいました。 今日は、運動処方における自覚的疲労感(RPE)の有用性についてお話ししようと思います。 RPEは、6-20で表す自覚的疲労感を表現するborg scaleや、10…

高強度インターバルトレーニング(HIIT)が血管に良い影響を与えるか?

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は少し前に書いてた記事について、少し付け加えるような内容となってます。 それは、タイトルの通り、なんで高強度インターバルトレーニングは血管の内皮機能に良い影響を与えてくれるのか。 その根拠となりうる報告…

6分間歩行試験が運動処方にも使える?

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は6分間歩行試験を運動処方に用いた報告を見つけたので、それを報告したいと思います。 前回の記事では、6分間歩行試験について簡単にまとめています。 3分くらいでサッっと読めるので、よかったらこちらをご参照下さ…

6分間歩行試験(6MWT, 6MWD)について

どうも。 田舎のPT、イナピーです。27歳です。 歳が近かったらどうかこの先の記事も読んでください。 今日は、歩行のパフォーマンス能力や運動耐容能評価の一つとして臨床で簡便に活用される、6分間歩行試験(six minutes walking test:6MWT)についてお話しし…

karvonen法(heart rate reserve)での運動処方の利点と欠点

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は、皆さんおなじみのkarvonen法についてのお話です。 聞きなじみのある話だと思いますので、理解しやすいかと思います。 臨床ですと、とりわけ急性期においては、年齢から算出する予測最大心拍数「220-age」から安静…

脳卒中患者さんの体幹機能を改善するには!?①

こんばんは。 突然ですが、皆さんは脳卒中患者さんの体幹機能を上げることの意義についてどうお考えでしょうか?臨床をしていると「あの人は体幹をもう少し鍛えたほうが良い」とか「体幹がまだまだだね」といった話をされるかと思います。動作能力の改善に体…

高強度インターバルトレーニングによる神経体液性因子への影響

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は以前の記事の最後で紹介しかけて出来なかった、高強度インターバルトレーニング(HIIT)と神経体液性因子のお話です。 そもそも神経体液性因子って何?という方へ。 簡単に言うと、心臓の負荷や尿量の調整、血圧のコ…

脳卒中患者の体幹機能障害の原因②:先行随伴性姿勢制御(予測的姿勢制御 or Anticipatory Postural Adjustment)

こんばんは。 前回は体幹機能障害と筋力低下について記事を書きました。 今回は体幹機能障害とAnticipatory postural Adjustment:APA(先行随伴性姿勢制御 / 予測的姿勢制御)について紹介したいと思います。 皆さんAPAはご存知でしょうか? APAは随意運動…

脳卒中患者の体幹機能障害の原因①:筋力低下

こんばんは。 前回は座位IPSについてご紹介しました。 今回は体幹機能の低下の原因について少し文献を紹介したいと思います。 Q:なぜ脳卒中患者さんの体幹機能は低下するのか? A:その原因の一つは筋力低下です。 Bohannon RW.: Lateral trunk flexion stre…

続・脳卒中患者の体幹機能評価⑥:座位 Index of postural Stability(IPS)

こんばんは。 最近は、寒くなってきましたねT-memoです。 脳卒中患者の体幹機能評価についてもう一つ紹介したいと思います。 今日は脳卒中患者の体幹機能評価の座位 Index of postural Stability(IPS) について紹介します。こちらは非常にユニークな方法の…

高強度インターバルトレーニングの安全性③「心機能の低下した心不全患者にHIIT適応しても平気?」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は心不全患者に高強度インターバルトレーニング(HIIT)って適応可能なの? についての文献をご紹介します。 一般的には、心不全患者は多疾患の並存するようなハイリスク患者が多いです。 よって、運動処方ではリスク回…

脳卒中患者の体幹機能評価③:Functional Assessment for Control of Trunk(FACT)

こんばんは。 今日はFunctional Assessment for Control of Trunk(FACT)について概説します。 FACTは奥田らによって開発された体幹機能評価です。 www.jstage.jst.go.jp FACTは体幹機能をより治療指向的に評価する内容となっております。 この評価の開発では…

高強度インターバルトレーニングの安全性②「設定した運動強度、ちゃんと合ってる?」

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は以前書かせて頂いた「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」の安全性の続きです。 高強度インターバルトレーニングの安全性① - 田舎の理学療法士 https://t.co/dUyq65OTs8— 田舎の理学療法士 (@nirbanana1) 2018…

高強度インターバルトレーニングの安全性①

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日は前回ご紹介した高強度インターバルトレーニング(HIIT)の安全性に関する 報告をご紹介したいと思います。 高強度なんて聞くと、 「心疾患患者にHIITって、ほんとに適応可能な介入方法なの?」 という疑問があると思…

高強度インターバルトレーニング(HIIT)の概要

どうも。 田舎のPT、イナピーです。 今日はスポーツ領域やヘルスケア領域で何かと話題の 「高強度インターバルトレーニング(HIIT:High-intensity interval training)」 その概要についてお話します。 Paul Laursenらによると、HIITとは 「Anerobic thresh…

脳卒中患者の体幹機能回復のメカニズム②

こんばんは。 田舎の大学病院で理学療法士をしておりますT-memoです。 前回は脳卒中患者さんの体幹機能のメカニズムついて臨床神経生理学的観点から考えてみました。今回は、体幹筋の形態学的変化に関する報告を紹介します。 www.ncbi.nlm.nih.gov Tsujiらは…

脳卒中患者の体幹機能回復のメカニズム

こんばんは。 田舎の大学病院で理学療法士をしておりますT-memoです。 今回は脳卒中患者さんの体幹機能のメカニズムついて考えてみたいと思います。 脳卒中後患者さんの体幹機能は皆さんご存知の通り、とても重要な身体機能ですよね。 実際に臨床をしている…

脳卒中患者の体幹機能評価⑤:Trunk Control item of the Postural Assessment Scale for stroke(PASS-TC)

こんばんは。 今夜はThe trunk control item of the Postural assessment scale for stroke patient(PASS-TC)について「概要」を紹介していきたいと思います。詳細は参考文献を読んでいただければと思います。 www.ncbi.nlm.nih.gov PASS-TCは原本のPostur…

脳卒中患者の体幹機能評価④:Stroke Impairment Assessment Set

こんばんは。 今夜の体幹機能評価はStroke Impairment Assessment Set (SIAS)の体幹機能評価です。 www.jstage.jst.go.jp SIASは慶応大学を中心に開発された脳卒中患者の機能評価であり、非常に簡便であることが特徴です。また、各項目ごとに使用することも…

脳卒中患者の体幹機能評価②:Trunk Impairment Scale

こんばんは。 今日はTrunk Impairment Scale(TIS)について概説します。 TISはG Verheydenによって開発された体幹機能評価です。 www.ncbi.nlm.nih.gov TISには大きく静的座位バランス、動的座位バランス、協調性項目の3項目に分けられ、全部で17項目の評価…

脳卒中患者の体幹機能評価①:Trunk Control test (TCT)

こんばんは。 今日は脳卒中患者さんの体幹機能の評価について紹介していきたいと思います。 体幹機能評価と言われてなにが思いつくでしょうか? これから、体幹機能に関する以下の評価の「概要」を紹介していきたいと思います。詳細は参考文献を読んでいただ…

脊髄損傷後の起立性低血圧には電気刺激!?

脊髄損傷(Spinal Cord Injury:SCI)では損傷レベルに応じて様々な症状が出現します.起立性低血圧(Orthostatic Hypotension:OH)もその一つです.私のような急性期病院で勤務している理学療法士にとっては悩みのタネではないでしょうか? 今回はSCI後のO…

よろしくお願いします。

知人の勧めでブログをはじめることにしました。 t-memo と申します。 現在、私は田舎の大学病院で勤務している理学療法士です。同時に某大学院の社会人学生です。日々の臨床や大学院の学習の過程で読んだ論文(英論文・和論文)を整理するため、あるいは情報…