脳卒中患者さんの体幹機能を改善するには!?①
こんばんは。
突然ですが、皆さんは脳卒中患者さんの体幹機能を上げることの意義についてどうお考えでしょうか?臨床をしていると「あの人は体幹をもう少し鍛えたほうが良い」とか「体幹がまだまだだね」といった話をされるかと思います。動作能力の改善に体幹機能が重要であることは臨床をしていれば明確に感じるかと思いますが、なぜなのか?と考えたことはあるでしょうか?
もし興味があれば記事を読み進めて貰えればと思います。
この疑問に対する一つの解として、体幹機能は下肢機能よりもADLとの関連が強いことが上げられます。今日はそんな論文を紹介します。
江連らはFunctional Assessment for Control of Trunk(FACT)を使ってFIMと体幹機のの関連を調査しました。こちらの結果ではFACTとFIMと高い相関(FACT-FIM合計:r=0.81 / p<0.01、FACT-FIM運動項目:r=0.85 / p<0.01、)示したと報告しています(江連,2010)。
※下肢のBrunnstrom Recovery Stage(Br.stage)とFIM合計の間にはr=0.63 / p<0.01、FIM運動項目の間にr=0.73 / p<0.01であり、いずれもFACTの方が相関の程度としては強かったとのことです。
また、Hsieh CLらの研究でも同様の結果が示されています。彼らはPASS-TCを使って調査した結果、発症14日時点でもFugl-Meyer motor testよりPASS-TCの方が強い相関があることが報告されています(HSieh CL,2002)。
このように体幹はADLに重要であること明らかになっています。特に歩行ができなくとも、食事やトイレなど体幹機能が供給される場面というのは非常に生活の中では多いかと思います。なので、日常生活を営む上で体幹機能は重要な機能であります。
次は脳卒中患者さんの体幹機能改善に関する論文についてご紹介していきたいとおもいます。
引用文献