第2弾:talk testの有用性について「talk testは本当に運動処方として使える?」
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日は前回の続きであるtalk testについて、実臨床で実践するに足る情報を集めて見たので、その紹介をしたいと思います。
ヒトは、運動によって産生されるCO2の増加や緩衝しきれずに血中の乳酸濃度が上昇した時に化学受容器がそれを感知し、呼吸ドライブが亢進し、呼吸数を増やす事で血中のpHを平衡にしてます。
これが運動強度でいうところの「AT level」に近づいた時にちょっときついかも、と感じる正体です。
この反応を利用して、会話が不快に感じ始める運動強度、換気域値(ventilatory ythreshold=AT point)を簡便に検出しようと開発された評価方法です。
近年、運動処方において強度を設定するには”range-based”から”threshold-based”の概念が主流となっています。
換気が亢進する域値、乳酸が上昇する域値など、ある変化が生じる”域値”を元に運動処方しようね、といった提言が2012年にEACPRからなされています。
それは心拍数と近似した値で、RPEよりも優れていると報告があります。
(Nielsen SG, Buus L, Hage T, Olsen H, Walsoe M, Vinther A. The graded cycling test combined with the talk test is reliable for patients with ischemic heart disease. J Cardiopulm Rehabil Prev. 2014;34(4):276e280.)
(Zanettini R, Centeleghe P, Franzelli C, et al. Validity of the Talk Test for exercise prescription after myocardial revascularization. Eur J Prev Cardiol. 2013;20(2): 376e382.)
心拍応答に影響するβ blocker使用例においても妥当性が報告されており、
(Brawner CA, Vanzant MA, Ehrman JK, et al. Guiding exercise using the talk test among patients with coronary artery disease. J Cardiopulm Rehabil. 2006;26(2): 72e77.)
非常に汎用性が高く、簡便で、注目度の高い運動処方の仕方となっています。
また、talk testと漸増負荷試験を組み合わせた運動処方は心疾患患者において高い信頼性を認めるとする報告もあり、自転車負荷において30Wの改善が臨床上意味のある最小変化量(MCID)とされています。
これらの指標を元に、実臨床において患者さんに還元して、実践した報告が増えるといいですね。
今日はここまで。
読んでくださってありがとうございました。
ではでは。