6分間歩行試験が運動処方にも使える?
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日は6分間歩行試験を運動処方に用いた報告を見つけたので、それを報告したいと思います。
前回の記事では、6分間歩行試験について簡単にまとめています。
3分くらいでサッっと読めるので、よかったらこちらをご参照下さい。
[https://t-memo.hatenadiary.jp/entry/%E8%A9%B3
6分間歩行試験が運動処方に変身? #はてなブログ #6分間歩行試験 #ステップテスト #運動処方
— 田舎の理学療法士 (@nirbanana1) 2018年12月9日
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6MWTには、最大負荷をかけられないというデメリットがあるのはご承知の事と思います。
ですが、今回紹介する内容はそのデメリットを前提として、6MWTとステップテストを用いた評価がCPXの代替法になるんじゃないか、といった画期的な報告になります。
どうゆうことでしょうか。。。
この新たな手法は、CPXが出来ないようなsedentary(座りがち)なライフスタイルを持つ心不全、とりわけ左室の収縮機能の低下したHFrEF患者(左室駆出率>40%)のため横断研究となっています。
方法は、CPXから得られるAT pointの心拍数(HR AT )と最高心拍数(HR p )を、6MWTとステップテスト(ST)から得られる心拍数(HR 6MWT 及びHR ST)とそれぞれ比較しています。
概要はこちら↓↓↓
P:NYHAⅡに該当し、適切な薬物治療を施行した平均58歳のHFrEF患者83名に対して
I:6MWTおよびステップテストを実施し、得た心拍数(HR 6MWT 及びHR ST)を
C:CPXから得たHR AT 及びHR peak と比較すると
O:どちらも有意差なく、r=0.8の高い相関を認め、CPXの代替法となる可能性が示唆された。
すごく綺麗に結果が出てますよね、これだけ高い相関を認めるなら本当に有用な評価法になりうると思います。
しかも、この2つの試験を行うのに、呼気ガス分析も用いておらずにこれだけの結果が出てると、入院中の患者にも使えそうで、夢が広がりますね。。。
しかし、適応するには考慮すべき点もあるかと思います。
サンプルサイズの決定に統計手法を用いておらず、数値の妥当性に問題があります。
また、運動様式は日常生活動作に関係するものとは言え、計測が1回だけなので再現性の問題があります。
1番はそもそも論ですが、呼気ガス分析を用いた評価ではないので、便宜上6MWTから得たHRをHR AT
と比較していますが、それが本当にAT levelのHRとなっているかが不明な点です。
そして、今回の対象はNYHAⅡの比較的軽度な心不全患者に対して実施している点です。
ステップテストは中等度から重度の心不全患者において最大下まで負荷をかけられるテストであることから、天井効果を認めることを念頭において使用する必要があるかと思います。
...嗚呼、すごく刺激的な報告でした。
興奮して手が震えちゃうので、今日はここまで。
長くなってすいません、読んでくださってありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
ではでは。