田舎の理学療法士

田舎の急性期大学病院勤務PT&大学院生PTのメモ用ブログ(2人で運営してます)

Pusher Syndromeのフローチャート(独断と偏見にまみれて)

みなさん、メリークリスマス!

T-memoです。

 

最近、プライベートが多忙でなかなか更新できておりませんでした。

まだ、多忙な時期が少し続きそうなので相方に任せたいところですが、相方も忙しいみたいで、不定期な更新になりそうです。

 

今回は、Pusher Syndromeについてです。実は、当職場でPTの新人さんがPusher Syndromeの治療の流れにおいて何が標準的なのか…と悩んでおりまして私は先輩ヅラしてふむふむと聞いておりました。

 

そこで、参考になればと思って評価からアルゴリズムを図表化すれば理解しやすいのでは?と思い、参考まで自分がPusher Syndromeに対して介入をするときの流れを具現化してみました。

 

ということで、自分がPusher Syndromeに介入をする際の流れを下の図に記載します!

 

f:id:t-memo:20191225002716j:plain

(星は現在、我々が学会発表して投稿中の内容なのでまだ出版されていません。)

SCP:Scale for Contraversive Pushing 

BLS:Burke Lateropulsion Scale

 

正直、かなり自信がないです…

 

本当は介入方法のPICOなども載せてみても良いかなと思ったのですが、スライド一枚に収めるのは難しいですね。

 

詳細は各自で読んでいただきたいのですが、適用する際には必ず原著論文を読んで適用できるか否か検討しましょう。

 

フローを作ってはみましたが、実際にはこの流れから外れてしまう患者様もいらっしゃいます。全てがこの通りに行くとは思いませんが、ひとつの参考になれば良いなーなんて思ってたりします。

 

今回作成したフローチャートは間違っている箇所もあると思いますので、有識者の方々に是非フィードバック頂ければ幸いです!ご指摘があればTwitterまでお願いできればと思います。よろしくお願い致します。

 

 

 

心疾患発症後は減量より体力を付けておくと生存率が向上する!

f:id:t-memo:20191012202713p:plain

 

どうも。

田舎のPT、イナピーです。

 

今回は虚血性の心臓病を有する人への生存率向上のためには

運動耐容能の維持・向上が重要

ということを示唆するコホート研究の紹介です。

 

 以前から、運動習慣の有無は、生活習慣病の予防につながる事が報告されています。

誰しもが、運動することの効果についてネガティブイメージを持つことはほとんどないかと思います。

ただ、実際に運動を始めたり、運動し続けることに対して

 

「めんどくさい。。。」や、「ツラい・・・」

「忙しくてやるのはちょっと。。。」

 

と思うのは、怠惰を好む人間なら必然。。。

 しかし、自身が何かしらの病気にかかった、あるいは知人や身の回りの人が病気になった時を想像して、改めて自分の運動習慣について再考してみて頂きたいと思うのです。

 

 とりわけ、狭心症心筋梗塞など生活習慣病が原因で発症するような虚血性の心臓病については、薬、食事、運動、禁煙、睡眠、不安・抑うつなどなど、評価すべきポイントがたくさんあります。

 

 医療者が対象者に対策の必要性を説明する時に、どこに焦点を当てるかは個々の問題点に合わせた指導が求められ、一概には言えません。しかし、一般的にどの因子が影響するかについて知っておくと、対象の行動変容の動機付けを目的とする指導の一助になるかと思います。

 

 そこで、今日は心臓病発症後の長期生存率に影響する因子をおよそ10年間の期間調査した報告の紹介となります。この報告では、phaseⅢ心臓リハビリテーションを受けた患者のその後、生存率を低下させる因子として

 

「年齢>70歳」

「最高酸素摂取量(peak VO2)<15ml/kg/min(男性)」

「最高酸素摂取量(peak VO2)<13ml/kg/min(女性) 」

 

が強く影響しており、良好なpeak VO2を維持した群と、peakVO2が改善した群とでは死亡率のハザード比に差がなかったとのことでした。

さらに特徴的なのが、BMIによる肥満の程度よりも、peakVO2の値が生存率に強く影響していました。 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

今回は細かな栄養状態の評価や、介入終了後の運動アドヒアランス、投薬内容の変更についての情報はないため、一概には体力だけが予後を良好にするとは断言できません。

しかし、今回の対象者のpeakVO2の変化値の平均は3.81ml/kg/minと、1METs以上の改善を認めており、予後を改善すると言われる値を超えた

変化を示しています。

   この事より、少なくとも体力を良好な状態に保つことは予後にポジティブな影響を与えることが示唆されています。

 

今日はここまで。

ではでは!

「長下肢装具を使用した歩行練習は周期的な筋活動を誘発する」は1980年代からあった!?

f:id:t-memo:20191012001324j:plain

 

こんばんは。

T-memoです。

 

今日は前回からの引き続きで長下肢装具(KAFO)に関する情報を発信していきたいと思います。

 

近年、神経理学療法の学会ではKAFOを用いて歩行練習をすることで歩行に類似した周期的な筋活動が下肢に得られる可能性が言われています。これには脊髄内にあると考えられている、Central Pattern Generator:CPGの関与が一説として考えられています。

 

2017年の報告では、KAFOを用いて前型歩行を行うと、立位の状態よりも下肢に高い筋活動が周期的に得られる可能性が報告されています1)

 

www.jstage.jst.go.jp

 

 

ここまでは、聞いたことがあるような話です。

ここから時を遡り、1982年に発刊された論文にそれは記されていました。

 

この報告では、片麻痺患者にKAFOを使用して歩行を行い、筋電図を記録すると正常歩行に類似した周期的な筋活動が得られることが記述されていました2)

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

この論文で、図示されているデータは生データ?なのかどのように解析されたかは記述されておらず、"質"という点では劣りますが、この視点はまさに先見の目であったようにも思います。

 

このように日々の臨床をデータ化し、考察を重ねることは重要だなと思った論文でもあります。(もちろん、妥当な方向に考察を重ねることが前提ですが)

 

ご興味のある方は下記リンクから読んでみてくださいね!

それではまた、次回もよろしくおねがいします。

 

 

1)脳卒中重度片麻痺者に対する長下肢装具を使用した二動作背屈遊動前型無杖歩行練習と三動作背屈制限揃え型杖歩行練習が下肢筋活動に及ぼす影響.
2)Clinical evaluation of a knee-ankle-foot-orthosis for hemiplegic patients. - PubMed - NCBI

 

 

脳卒中後の長下肢装具は歩行能力の向上に有効か?

f:id:t-memo:20191005205121j:plain

こんばんは。

T-memoです。

 

今日はタイトルの通り、少し臨床よりのテーマでお話したいと思います。

 

近年、長下肢装具(KAFO)を使用した歩行練習に関する報告が多く報告されています。

 

しかし、現状として長下肢装具の処方や使用がどんなアウトカムを改善するのか?については報告がかなり限定的です。ということで、2014年に報告された系統的レビューを紹介します。

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

この論文のなかで脳卒中脳卒中を対象としたKAFOの論文は4件あり、そのうち歩行能力に関して報告しているものは3件だったそうです(McDaid C, et al. 2017)

(内容に関しては下記論文をご参照ください)

 

これを踏まえて「3件って少なすぎるでしょ!」と、当時の私は思いました。

実は、KAFOに関する報告はかなり限定的であり、脳卒中ガイドラインで推奨されている”装具を用いた歩行練習”をKAFOの範囲まで解釈を拡大させるのは、やや難しさがあるかのかなと思っております。実際、設定されている研究デザインも、介入効果を見るには不十分な研究手法です。なので、KAFOの使用がどのようなアウトカムを改善し得るのかについてはまだまだ検討が必要と思われます。

 

この報告は2014年までの論文を集めた報告ですので、近年ではもう少し増えています。私も、課題難易度の調節して早期から歩行練習ができるようにできるのでは?という仮説の基に、臨床場面でKAFOを使用しておりが、”どこまでがKAFOの影響なのか”については議論の余地がありそうです。学会発表ではKAFOを使用した報告は多数ありますが、その使用は経験的な側面が強く、今後の報告が待たれるのかなと思います。

 

今日のところはここまで。

また、次回もよろしくおねがいします。

 

Systematic review of the evidence on orthotic devices for the management of knee instability related to neuromuscular and central nervous system di... - PubMed - NCBI

 

 

セラピストでも知っておきたい経頭蓋磁気刺激の知識!:まとめ

こんばんは。T-memoです。

先週に続いて、経頭蓋磁気刺激のまとめ記事になります。

こちらも各記事は3分程度でみれるように努力していますが、至らない点がありましたらツイッターの方にご連絡いただければと思います(笑)

 

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

 

現時点の記事は以上になります。

お時間のあるときにご覧になってください。

新しい記事をupしましたらこちらにも定期的にupして行きたいと思いますので、よろしくお願い致します。

予測的姿勢制御:まとめ

こんばんは。

久しぶりに記事を書きますT-memoです。

 

とは言いましても新しい記事を書くわけではなく、まとめ記事を作ったほうがわかりやすいとご指摘をいただきましたでの今日はAPAの記事に関するまとめを作成しました。

 

  • 予測的姿勢制御の概要
  • 予測的姿勢制御:フィードフォワード制御
  • 予測的姿勢制御の作業仮説〜運動野と補足運動野が関与する〜
  • 予測的姿勢制御の発現と一次運動野は関連する:1
  • 予測的姿勢制御に一次運動野は関与する:2−1
  • 予測的姿勢制御に一次運動野は関与する:2−2
  • 予測的姿勢制御と補足運動野:①
  • 予測的姿勢制御と補足運動野:②
  • 予測的姿勢制御と補足運動野:③
  • 予測的姿勢制御と補足運動野:④

 

 

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

t-memo.hatenadiary.jp

 

 

 

こちらは適宜、新記事をupしたら追加して改めて皆さんにご案内致します。お時間のあるときに参考になれば幸いです。

 

 

CPXから考える運動処方シリーズ(全4回)のまとめ

どうも。

田舎のPT、イナピーです。

 

今日は、期間が空きながら更新してしまった、運動強度ごとの特徴について

まとめたシリーズのまとめになります。

 

light intensity から extreme intensityまでの4つのドメインに分けて書かせて頂いた記事です。

分かりづらい箇所もあるかとは思いますが、知識を更新しながら適宜グレードアップさせていきたいと思います。

 

①light-moderate intensity domain

t-memo.hatenadiary.jp

 

②moderate-high intensity domain

t-memo.hatenadiary.jp

 

③high-severe intensity domain

t-memo.hatenadiary.jp

 

④severe-extreme intensity domain

 

t-memo.hatenadiary.jp

 

 

 

以上となります。

皆様の臨床での運動処方の参考となれば幸いです。

 

ではでは!