CPXから考える運動処方:④ Severe to Extreme-intensity Exercise
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今回でシリーズ最後になります。
今日は、4つのドメインのうちで最もきつい強度に当たる
「severe-extreme intensity」について話します。
このドメインは、
peakVO2に至る前に終了するほどの仕事率(WR)
を指します。
ここまでくると、もはやVO2動態の限界です。
非常に高負荷なためVO2の上昇は緩徐となり、peak VO2に至ることなく
疲労困憊となる事が大半です。
よって、運動の継続可能な時間は3分未満が限界だとの報告もあります。
しかし、インターバル形式であればこのドメインでの処方も可能です。
疲労を感じる前にインターバルを挟むことで、運動終了時の血中乳酸濃度は
high to severe-inteinsity の時よりも低い値となるそうです(理論上)。
一度これを見ている方の中でも、相手に適応する前に実際にこの強度を体験
してみることでインターバル運動の効果を実感することができるかと思います。
という事で、この強度での処方も心疾患を対象とする臨床で使用する事は
ないと思いますが、一応紹介までとさせていただきます。
以上で、シリーズ完結です。
ではでは!
【参考文献】
運動麻痺回復のステージ理論:まとめ
こんばんは。今日は運動麻痺回復のステージ理論のまとめ記事です。
便利になれば良いと思って作成しました!
図 運動麻痺回復のステージ理論 (原寛美, 2013より一部改変)
いままで、解説した記事を記載してあります。
下記リンクから閲覧していただければと思います
- 運動麻痺回復のステージ理論の概要
- 1st stage recovery:
- 2nd stage recovery:
- 3rd stage recovery:
ちなみにこのステージ理論の対象は”上肢の運動麻痺”ですので、みなさんご承知おきください。
2019年心リハ指導士講習会の総集編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
本日の内容は、6回連続で書かせて頂いた講習会内容のまとめです。
印象としては、この直前の講習会の内容から出題される問題が思ったよりも多かったです。
いかに効率的にポイントを押さえて試験に臨めるかが合格へのキーとなるように感じました。
来年度以降、受験される方のお役に立てれば幸いです。
①運動生理学・心臓病学
②運動処方
③安全管理・応急処置、CPX
④栄養学
⑤臨床心理学
⑥病態生理、診断治療
今年の試験シリーズはこれで最後になるかと思います。
予想問題から講習会まで見て頂いた皆様、本当にお疲れ様でした!
今まで通り興味のある分野の文献などを紹介する記事が続くかと思います。
脳卒中関連の情報を見に来て頂いていた方への情報発信も、更新を再開します!
田舎PTのブログを、今後ともよろしくお願い致します。
ではでは!
2019年度心リハ指導士講習会のまとめ⑥病態生理、診断治療編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
講習会まとめシリーズ最終、第6弾は病態生理、診断治療編です。
ここから出題された内容が、今年一番多かった印象です。
だからこそ、しっかり理解している医師の合格率が他の職種より高いんですかね。。。?
では早速、よろしくお願い致します。
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「病態生理、診断治療」
1時間 木庭新治先生 赤字多め!たくさん教えてくれる。
★運動療法の効果:
最大心拍数低下、左室リモデリング改善、狭窄度の進展抑制
凝固能の向上、HDLコレステロールの増加
・慢性心不全の定義:LVEF≦40%、BNP80pg/mlあるいはNT-proBNP400pg/ml
★冠血流量:RCAは左室の25%、LCXは左室の35%を走行、LADは左室の40%を栄養
心筋酸素消費量と冠血流量は直線関係
冠動脈予備能は75%狭窄で運動負荷により心筋虚血を生じ易い
★不安定狭心症:
「新規に労作性に胸痛出現」、「増悪型」、「新規に安静時に胸痛出現」
の3つのタイプがある
攣縮性(異型)狭心症:日本人の心筋梗塞は攣縮(spasm)の関与が大きい
★至適薬物療法 / Optimal Medical Therapy(OMT) :ABCDEの5つがキーワード
A:抗血小板薬+硝酸薬
B:β-blocker+血圧
C:コレステロール+禁煙
D:食事+糖尿病
E:教育+運動
★COURAGE trial:
安定冠動脈疾患においては、初期治療にOMIにPCIを併用してもMI発症率や死亡率などの有意な改善を認めない。
★DAPT:アスピリンとチエノピリジン系(クロピドグレル )の二剤併用が、アスピリン単独やアスピリン+ワーファリンに比べてステント血栓症を有意に抑制
ベアメタルステント(BMS):少なくとも1ヶ月はDAPT継続
薬剤流出性ステント(DES):少なくとも1年間はDAPT継続
★PADとFontaine分類:運動療法はFontaine分類2度(間欠性跛行)が適応
→監視型運動療法を推奨
→下肢疼痛を生じるまで負荷を上げて、疼痛出現までと疼痛緩和するまで休憩
(1-5分)を繰り返す
→跛行を改善する根拠:主に骨格筋内の酸素利用効率の改善
★大動脈解離とStanford分類:
Stanford A(上行大動脈に解離あり):偽腔開存型は破裂リスク高 ope適応
Stanford B(上行大動脈に解離なし):血栓閉塞型の降圧管理
→SBP<130mmHg、負荷後は<150mmHg
*CT画像で上行大動脈を同定でき、かつ
運動療法時の血圧管理の基準が理解できているかを問われる
★心不全は運動耐容能(Aerobic Exercise Capacity:AEC)が低下している
NYHA1:6METs(AEC≧80%)
NYHA2:3.5~5,9METs(AEC:60-79%)
NYHA3:2~3.4METs,(AEC:40-60%)
NYHA4:1~1.9METs(AEC<40%)
→AEC80%未満に該当するNYHA2度以下が心リハの対象となる
★自覚症状と身体所見:左心不全では聴診音、低心拍出量の症状を把握しておく
右心不全と左心不全における症状の違いを理解することが求められる
★チアノーゼの診断基準:毛細血管内血液の還元Hb≧5g/dl
中枢性と末梢性に分かれ、後者では末梢循環不良による四肢の冷感
貧血ではチアノーゼは生じない
★心不全の病態と関連のあるホルモン、伝達物質
神経体液性因子:
→ノルエピネフリン、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、バソプレシン
心筋保護因子:
→ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP),プロスタグランジン、一酸化窒素(NO)
★睡眠時呼吸障害(SDB):10回/時間の呼吸停止 / 低呼吸の回数5回以上
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA):上気道の閉塞、SDBの大部分を占める。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA):
呼吸中枢の停止、心不全患者の睡眠時無呼吸の5~8割はCSAに当たる
★心不全患者における骨格筋の減少と質の低下:
タンパク質の異化亢進と同化抑制が原因
★大動脈弁狭窄症(AS):
硬化性が一番多い。
risk factorは男性、加齢、喫煙、DL、HT、CKD、DM
→心不全発症で2年以内、失神で3年以内、狭心症状で5年以内の死亡率が高い)
★僧帽弁逆流症(MR):見かけ上の左室駆出率(LVEF)上昇、LVEF<60%で予後不良
一次性:僧帽弁逸脱、リウマチ熱、感染性心内膜炎
二次性:心筋梗塞(乳頭禁断裂)、拡張型心筋症**、大動脈弁逆流症
**★拡張型心筋症:左室のびまん性収縮障害と左室拡大が特徴
★高血圧と心血管リスク:持続性高血圧と仮面性高血圧がハイリスク
家庭血圧:≧135/85mmHg
診察室 :≧140/90mmHg
★降圧薬と副作用:
Ca拮抗:浮腫
K保持性のサイアザイド系利尿:低カリウム血症
ミネラルコルチコイド(アルドステロン):高カリウム血症、女性化乳房
β-blocke :気管支喘息の悪化
・脂質異常症の基準:空腹時採血において、以下のいずれかを満たす場合
LDL-cho≧140以上、HDL-cho<40未満、中性脂肪(TG)≧150
★リポタンパク:
スタチンはLDL受容体を増やし、血中LDL減少を促進
LDLの半減期は2-5日
カイロミクロンは食後に出現。
VLDLは脂肪酸を運搬し、LDLが肝臓へ運搬される
LDLはメタボリックシンドロームと相関なし
・動脈硬化の絶対リスクと脂質管理目標:
ACS二次予防はLDL<70、non-HDLコレステロール<100
★糖尿病のポイント:
高血糖の原因はインスリン分泌障害(一次性)と抵抗性(二次性)
診断基準はHbA1c≧6.5%、75g経口糖負荷試験(OGTT)≧200mg/dl
DMの合併症「しめじ:神経障害、網膜症、腎障害」に加えて、
・HbA1cの合併症予防の目標値:
HbA1c<7%
空腹時血糖<130mg/dl
食後2時間血糖値<180mg/dl
★サルコペニア:握力、歩行速度、筋肉量の3つが重要。
握力:男性<26kg, 女性<18kg
歩行速度:<0.8m/sec
筋肉量(DXAで評価):男性<7kg,、女性<5.4kg
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以上となります、長くなってすみません。
内容から察するに、臨床場面において生活指導をしっかり行っていれば
講習会の内容が良い復習となり、容易に回答できる内容が多かったように感じました。
にしても、この講習会の内容が一番濃かったように感じます。
それと、PADや心不全に関連する話はその他の講習会とover lappingしてました。
ようやく試験関連の記事が終わりました!
今月中には合格発表があるとは思いますが、皆さんの合格を祈願しています。
そして、いつも読んでいただき感謝しております。
ではでは!
2019年度心リハ指導士講習会のまとめ⑤臨床心理学編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日の内容は、臨床心理学についてです。
曖昧で申し訳ありませんが、こちらも直前での講習会から出題されたように思います。
出題数は多くなく、、
- 不安抑うつの評価尺度
- タイプDの特徴
の2問程度でした。
では、よろしくお願い致します。
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「臨床心理学」40分 去年と同じ文京大学の人
・不安抑うつの低減、ストレス対処の改善が心リハにおける心理学的目標
→QoLの改善につなげていく
・マイクロカウンセリング( Ivey, 1985):
1.感情の受容:共感、共有、相槌を打つ
2.感情の反映:ノンバーバルな表現による返し
(こういう風に辛いんですね、心配なんですね)
3.繰り返し:話題のエッセンスを的確にまとめてその言葉で繰り返すこと
4.感情の明確化:漠然とした患者の言葉を言語化して整理する
5.承認、再保証:支持は一種の承認であり、承認は自己受容を促す
健康行動の自発的な実行の原動力となる→行動に対する賞賛を推奨
6.非指示的リード:目的への行動へと導くようにopen questionで行う
*ダメな聞き方:
Yes/no のclosedな質問方法
→詰問されている感覚になるため推奨されない
→情報収集量が少なくなる
・認知行動療法(CBT):学習理論を基盤とする。
行動における認知、態度、信念などの役割を再認識し、行動変容を促すための概念。
エビデンスレベルA
認知療法の技法の中でも特に重要な要素は認知再構成療法
CBTは抑うつに有効であり、再発率は薬物療法よりも有意に低下させる
・BCTにおけるセルフコントロール:
自己決定による行動変容を促すために以下の要素を意識して指導する
1.目標行動の設定:認知行動変容の第一段階
2.自己監視法:体重や血圧の記録など自分の行動の記録
3.刺激統制法:
行動時に場所やタイミングなどを決めて禁煙禁酒、食生活改善、運動習慣是正を図る
4.自己契約:行動を契約して報酬をセッティングし、動機付けを向上
5.自己教示:周りにやるぞと宣言させる
6.自己強化と自己罰:報酬や罰を自ら与える方法
★心理アセスメントと尺度:
抑うつ:BDI, SDS, CES-D, HADS
不安:MAS, STAI
覚え方については、過去の記事にある大問8の答え部分をご参照ください
・心理的特徴:
タイプD:ネガティブ感情(NA)、社会的抑制(SI)、NAとSIが高い(Distress)
3.8倍のオッズ比で心イベントが高い
心理的特性をどう変容させるか:
マルチコンポーネント心理療法、生理学的或いは自己コントロール心理療法
→心理的介入は、発症から期間を空けてから介入しないとネグレクトが生じ、
死亡率改善につながらない。
→タイプDの改善は死亡率を54%低下
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以上です。
筆者は普段から外来心臓リハビリに従事しておりますので、内容自体は身近な内容で
非常に興味深く拝聴させて頂きました。
いかに医療のレベルが向上しようとも、患者のアドヒアランスを含めたヘルスリテラシーが向上しないことには行動が変わらないことは往々にして感じる部分ではあるかと思います。
諸外国でもヘルスリテラシーへの着目は重要とされていて、低所得者や教育レベルの比較的低い人種において認める低いヘルスリテラシーが心血管リスクにつながるとの報告もあるくらいですから、無視できないポイントではあります。
今日はここまで。
次回は病態生理、診断治療についてのまとめです。
ではでは!
2019年度心リハ指導士講習会のまとめ④栄養学編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日は「栄養学」についてのまとめです。
今年は、心不全と栄養についての内容となっていました。
では、よろしくお願い致します。
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「栄養学」40分 鈴木規雄
・①CVDの一次予防、②心不全病期別の介入、③運動と栄養
①一次予防:カロリーの是正、食塩・糖質・脂質摂取量の是正
・三大栄養素の1gあたりのエネルギー量
糖質/タンパク質4kcal/g、脂質9kcal/g
・栄養バランス:日本人の食事摂取基準(2015年)をもとに管理。
5年ごとに改定される。エネルギー摂取量のモニタリングとしてBMIが用いられる。
18~69歳のBMI:18.5~24.9
70歳のBMI:21.5~24.9
・糖質(炭水化物、食物繊維:男性20g/日、女性18g/日):全体の摂取量の50~65%
食物繊維の摂取量と心筋梗塞の発症率は関連する(サプリメントの摂取は除く)
・脂質:全体の摂取量の20~30%
ほとんどが中性脂肪(TG)として食中に存在
肉・乳製品に多く含まれる、LDLコレステロール(LDL-cho)及びTG増加の因子
LDL-cho低下、HDL-cho増加に作用
・多価不飽和脂肪酸:
ω6系(リノール酸、アラキドン酸):調理油に含まれる。過剰摂取で冠動脈疾患(CAD)リスク増大
ω3系(リノレン酸、EPA, DHA):ω3系を含む魚の摂取でCADリスク減少
★トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニングを含むパン、ケーキに多く含有。
HDL-cho減少及びLDL-cho上昇によってCADリスク増大
総エネルギー摂取量の1%未満に抑えること(心不全stageA・Bに共通)
・タンパク質:摂取量目安は0.8g/kg/日
高齢者において必要性が高くなる。
・食塩:男性8g、女性7g未満を推奨(2015年) Na×2.54が食塩相当量
②・③心不全の病気別の介入、運動と栄養
・食塩量:stageA・Bは6g/日未満、至適体重はBMI:18.5〜24.9の維持を目安とする
BMI27以上でCADリスク増大するとの報告もある
・推奨される食生活スタイル:
地中海食:魚、野菜、果物、ワインなど。エキストラバージオイルやナッツの追加がbetter
DASH食:野菜、果物、低脂肪の乳製品などが中心。
・stageC・D:交感神経活性が亢進し、コルチゾール上昇によりたんぱく異化亢進状態に陥る
・窒素バランス:消費エネルギー量が増加し、異化亢進状態に陥り安い。
・TNF-αによるインスリン抵抗性と心臓カヘキシア:
TNF-αはガンや心不全で増加、たんぱく質の同化作用を妨げる。
TNF-αと活動量は逆相関するとの報告もある。
・水分量の制限については明確なエビデンスはない。
・急性心不全:循環動態が機械的にサポートがあって安定していれば、
IABP中でも経腸栄養も可能とされるが、明確なエビデンスはない。
・サルコペニアは加齢と二次性が原因:十分な摂取カロリーに加えたタンパク質摂取
BCAAのうちバリン・ロイシン・イソロイシンが骨格筋維持に重要
(運動直後の摂取が推奨される)
・加齢により筋タンパク合成能が低下、インスリン抵抗性上昇を認める。
よって、タンパク質摂取量の確保は大切。(1.2~1.5g/kg/日)
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出題内容は、主に心不全について、重症度ごとの栄養に関するものが3問ほどありました。
心不全の病態の背景には、異化作用の亢進が認められます。
国内における1施設での調査ではありますが、栄養障害を有する症例が入院期急性心不全患者の2/3にも昇るとの報告もあるそうです。
また、加齢に伴う生理的な筋量減少が心不全患者の骨格筋代謝を更に減少させるために、十分なエネルギー量の摂取に加えてたんぱく質摂取量をどう確保していくか。
今後の急性期における栄養管理の重要性がより一層強調される講習会となっていました。
今日はここまで。
次回は臨床心理学についてのまとめです。
ではでは!
2019年度心リハ指導士講習会のまとめ③安全管理・応急処置、CPX編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日は「救急処置と安全管理」と「CPX」の講習会についてのまとめです。
あくまで講習会の内容をそのまま載せているので、タイトルと内容が乖離すること
がありますが、ご容赦ください。
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「救急処置と安全管理」40分 講師:礒良崇 赤字あり
★運動療法中の外来心疾患患者の心停止:1/60,000
健常人は1/560.000
日本のAMI患者では0.023%(1/4360)
CLBBBやWPW症候群の症例はST低下の変化を診断できない
★運動負荷でのST低下は下降型、水平型の順に有意な反応
責任動脈の同定までは困難
・ACSの発症は冠動脈の狭窄率と必ずしも一致しないので、内膜中膜肥厚に注目する
★慢性心房細動(af)は運動可だが新規の出現は運動中断
afは血栓・脳塞栓予防で抗凝固薬服薬が投与されているかに留意
・脚ブロックはM型(notch)のあるQRSが目印となる。RBBB:V1, LBBB:V5に注目
★VFは直ちにCPR開始し、処置が1分遅れるごとに10%ずつ生存率が低下していく
(選択肢の一つとして出題)
★無脈性電気活動(PEA)の確認には、脈を触れながら波形を確認する
★解離、大動脈瘤は血圧管理がポイント:
安静時90~130mmHg(HR≧60bpm)、労作時<150mmHgに管理
・運動中に10Sのいずれかの症状が出現した時は、運動を中止してモニター・血圧・SpO2などのvitalを確認
(出現した症状の原因を同定するための知識を問う問題が出題)
★負荷試験の絶対禁忌:キーワードは不安定、急性の病態、重度ASなど
相対禁忌:LMT病変、moderateAS, 電解質異常などは、
ベネフィットがリスクを上回る時には実施
★運動負荷の中止基準(虚血、開胸術後):
胸痛、チアノーゼ、有意なST変化、運動中のAFL出現、SBP>250mmHg, VT出現
・胸骨圧迫のポイント:
胸骨の下半分、100-120bpm、5~6cm沈む程度圧迫 中断時間は短くする
輸送能は末梢因子よりも、ポンプ機能が大きく影響している
★レジスタンストレー二ング(RT)の禁忌:
心リハ指導士のオレンジの教科書p228表7の絶対禁忌及びFITTを確認
★RT特有の効果:除脂肪体重の増加、基礎代謝の増加
(心リハ指導士のオレンジの教科書p229表9を確認)
「運動負荷試験」1時間10分 安達仁
★プロトコルを確認し、何分時点が何wattに該当するかを判断できるようx,y軸を確認
AT-1min時点がAT pointの運動処方となる
・各パラメーターの変化:
warm upでは「VE/VO2」,「 VE/VCO2」は低下
→肺胞にてガス交換が促進され、心拍出量が増加し、ガス交換面積が広がり
ガス交換効率が増加
少ないVEでVCO2を稼げて、初めのVO2変化はCOに増加量に依存するので
上記の2つは減少する
RCを越えると「ETO2」はさらに上昇し、「ETCO2」は低下
→AT以降は血中乳酸値の上昇を抑制するのにHCO3-が代償している
RCを越えるとHCO3-が代償しきれずに代謝性アシドーシスが進行する
上記を抑制するために換気が亢進、VEがさらに上昇して死腔換気量が減少するためETCO2は減少する
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以上になります。
CPXに関する出題は2問程度しかありませんでした。
むしろ運動療法にまつわるリスク管理についての問題は随所に散りばめられていたように感じます。
次回は「栄養学」についてのまとめです。
ではでは!