セラピストは必読!経頭蓋磁気刺激の知識:短潜時皮質内抑制(SICI)
こんばんは。
今日は経頭蓋磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)のパラメーターのひとつである短潜時皮質内抑制(Short Interval Intra-cortical Inhibition:SICI)について解説したいと思います。
いままで解説してきたTMSのパラーメーターはMEPやSPなど単発(一発)の刺激で得られるものでした。しかし、SICIは単発の刺激では得ることができません。SICIが2連発刺激法という方法で測定することができます。
SICIはTMSの装置を2台を使用して一つのコイルから刺激強度の違う刺激を2発連続で一次運動野に打ち込むことで得ることができるパラメーターです(図1)
SICIは条件刺激を試験刺激の1-5ms(0.001-0.005秒)前に打ち込むことで通常のMEP振幅よりも抑制されるという現象から観察することができます。
このSICIは脊髄の抑制機構が作用しているのではなく、皮質内の介在ニューロンが抑制に関与していると推察されており、SICIはGABAAの受容体を介する皮質抑制機構を調べるために使用されます。
Reference
花島律子:Paired pulse stimulationー短潜時皮質内抑制(SICI)とー短潜時皮質内促通(SICF).臨床神経生理学,40(4),2012.