田舎の理学療法士

田舎の急性期大学病院勤務PT&大学院生PTのメモ用ブログ(2人で運営してます)

予測的姿勢制御と補足運動野:④(追記:補足説明)

こんにちは。

T-memoです。

 

 

前回は上肢を急速に挙上する予測的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustmnet:APA)の課題の前に経頭蓋直流電流刺激を補足運動野へ適応し、促通・抑制することでAPAが変化することをお伝えしました。また、上記の結果から補足運動野はAPAにおける重要な役割を担っていることをお伝えしました。(過去の記事を一番下に貼り付けてありますのでよければどうぞ)

 

 

 

ここでちょっと疑問に思うわけです。

この結果は、上肢を急速に挙上する課題に特異的な結果なのでは?

 

…と。

 

ということで今日は歩行開始時におけるAPAと補足運動野(SMA)との関係について、論じているRichard Aらの論文を紹介します。

 

 

結論から言いますと、補足運動野はAPAのタイミングや振幅に影響を及ぼしている可能性があるということです。

 

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

 

Richard Aらは健常者を対象に、補足運動野と小脳に抑制をかけた時APAはどう変化するのかということを検証しています。ちなみにここでいう「抑制」というのは反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)によるcontinuous theta burst transcranial stimulation(cTBS)という刺激方法で行っています。(cTBSについては一番下に記事を追記しております、確認したい方は御覧ください)

 

 

このcTBSを行う前後でステップ動作を行い、APAの変化を観察しました。

 

 

結果は…

 補足運動野へのcTBSは、APAにおける筋活動のタイミングや振幅(強さ)に影響を及ぼしたと報告しています(Richard A, 2017)

 

 

f:id:t-memo:20190419184513j:plain

 

 

また、彼らは小脳にもcTBSを行っており、こちらの結果は肢内・肢節間協調性に影響を及ぼしたと報告しています。

 

 

歩行の開始には補足運動野や橋、小脳、視床、皮質経路などが関与するという点を踏まえると、納得がいく結果かと思います。

 

 

このように補足運動野を抑制状態にすることで歩行の開始におけるAPAにも影響が確認されており、補足運動野への抑制は上肢挙上課題以外でも確認されておりました。

 

 

ということで今日はここまで。

 

 

次回は、どの論文を紹介しようか迷っているのですが、上肢の予測的姿勢制御とか興味ある方いらっしゃるでしょうかね?この前友人に言われたのでちょっと紹介していこうか迷っています(笑)いずれにせよ、引き続き予測的姿勢制御の論文を紹介してきたいと思いますのでよろしくおねがいします。

 

 

Reference

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

 

 

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cTBSについて

 

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