Anticipatory Postural Adjustment:APAの作業仮説〜APAには運動野と補足運動野が関与する〜
こんばんは。
本日はAPAの生成に運動野と補足運動野が関与するという作業仮説の紹介です。
APAはAnticipatory postural Adjustmentの略で、日本では”予測的姿勢制御”や”先行随伴性姿勢調節”などと呼ばれています。
これは随意運動よりも”先に”姿勢を制御する筋肉が筋放電を開始する現象であり、ヒトの姿勢制御の一つであります。
例えば、みなさんが立っている状態で力いっぱい腕を前に上に上げたとき、腕を上げる筋肉が動く前に太ももの後ろの筋肉は既に動いています。
さて、このAPAのメカニズムについてですが実はよくわかっていません・・・
日本では高草木先生のAPA作業仮説が有名かと思います。
これ動物実は験で一次運動野の下肢の領域にGABA Agonistを注入すると、反対側の下肢に麻痺が出現し、両側補足運動野の体幹・下肢領域にMuscimol(脳の働き抑制する)を投与すると麻痺は出現せず、姿勢制御が妨げられたという結果から運動野と補足運動野がAPAと関連すると考えられています(K Takakusaki, 2017)
近年では非侵襲的な神経学的検査が増え、APAのメカニズムも少しずつ解明されてきていますが、まだ十分ではありません。
次回からは、APAの神経学的なメカニズムに関与する検査についてもいろいろと紹介していきたいと思います。
また、次回もよろしくおねがいします。
Reference