脳卒中後の長下肢装具は歩行能力の向上に有効か?
こんばんは。
T-memoです。
今日はタイトルの通り、少し臨床よりのテーマでお話したいと思います。
近年、長下肢装具(KAFO)を使用した歩行練習に関する報告が多く報告されています。
しかし、現状として長下肢装具の処方や使用がどんなアウトカムを改善するのか?については報告がかなり限定的です。ということで、2014年に報告された系統的レビューを紹介します。
この論文のなかで脳卒中に脳卒中を対象としたKAFOの論文は4件あり、そのうち歩行能力に関して報告しているものは3件だったそうです(McDaid C, et al. 2017)
(内容に関しては下記論文をご参照ください)
これを踏まえて「3件って少なすぎるでしょ!」と、当時の私は思いました。
実は、KAFOに関する報告はかなり限定的であり、脳卒中ガイドラインで推奨されている”装具を用いた歩行練習”をKAFOの範囲まで解釈を拡大させるのは、やや難しさがあるかのかなと思っております。実際、設定されている研究デザインも、介入効果を見るには不十分な研究手法です。なので、KAFOの使用がどのようなアウトカムを改善し得るのかについてはまだまだ検討が必要と思われます。
この報告は2014年までの論文を集めた報告ですので、近年ではもう少し増えています。私も、課題難易度の調節して早期から歩行練習ができるようにできるのでは?という仮説の基に、臨床場面でKAFOを使用しておりが、”どこまでがKAFOの影響なのか”については議論の余地がありそうです。学会発表ではKAFOを使用した報告は多数ありますが、その使用は経験的な側面が強く、今後の報告が待たれるのかなと思います。
今日のところはここまで。
また、次回もよろしくおねがいします。