田舎の理学療法士

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セラピストは必読!経頭蓋磁気刺激の知識:rTMS

T-memoです。

また、経頭蓋磁気刺激法(TMS)の知識関連の記事に戻ってきました。

 

 

経頭蓋磁気刺激法の理解は研究を理解するために必要不可欠です。

最近は様々な刺激方法が開発されており、臨床や基礎的機序について考えるには必須の知識になります(ちなみに脳卒中のステージ理論は経頭蓋磁気刺激法から得られた結果から考えられています)。臨床をする方々にこそ是非知ってほしい知識でもあります。

 

 

今後、紹介する論文も必出の知識ですので要点だけ抑えてお伝えしたいと思います。

 

 

ということで今日は反復経頭蓋磁気刺激法(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation:rTMS)について紹介したいと思います。

 

 

rTMSは以前説明したTMSを反復して刺激することにより、脳を抑制状態にしたり、促通状態にする刺激方法です。

 

刺激方法も非常に様々で、種類が結構あります。一般的なのが1Hz(1秒間に1回)以下の低頻度rTMSと1Hz以上の高頻度で刺激する高頻度rTMS(一般的に5Hz以上)です。

 

 

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図1 反復経頭蓋磁気刺激法の概要

低頻度刺激法は脳を抑制状態にし、高頻度刺激は脳を興奮状態にすることが可能です。

 

rTMSをある部位に適応する前後で反応がどう変わるのか?ということをみることができます。

 

また、臨床では半球間抑制を是正するために治療用の刺激装置としても用いられています。

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図2 半球間抑制と反復経頭蓋磁気刺激法

脳卒中後は半球間のバランスが崩壊し、非損傷半球が損傷半球を抑制しているという考えがあります。低頻度rTMS:損傷半球を過剰に抑制をしている非損傷半球を抑制し、半球間のバランスを是正する. 高頻度rTMS:損傷半球の興奮性増加させ、非損傷半球との半球間バランスを是正する. 

 

 

このように、基礎研究から臨床まで幅広く活躍するTMSは臨床家の人は知っておくことで日々の臨床に役立つものと思います。

 

 

今日はここまで!

次回もrTMSの刺激方法についてまたご紹介していきます。

 

 

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