心疾患発症後は減量より体力を付けておくと生存率が向上する!
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今回は虚血性の心臓病を有する人への生存率向上のためには
運動耐容能の維持・向上が重要
ということを示唆するコホート研究の紹介です。
以前から、運動習慣の有無は、生活習慣病の予防につながる事が報告されています。
誰しもが、運動することの効果についてネガティブイメージを持つことはほとんどないかと思います。
ただ、実際に運動を始めたり、運動し続けることに対して
「めんどくさい。。。」や、「ツラい・・・」
「忙しくてやるのはちょっと。。。」
と思うのは、怠惰を好む人間なら必然。。。
しかし、自身が何かしらの病気にかかった、あるいは知人や身の回りの人が病気になった時を想像して、改めて自分の運動習慣について再考してみて頂きたいと思うのです。
とりわけ、狭心症や心筋梗塞など生活習慣病が原因で発症するような虚血性の心臓病については、薬、食事、運動、禁煙、睡眠、不安・抑うつなどなど、評価すべきポイントがたくさんあります。
医療者が対象者に対策の必要性を説明する時に、どこに焦点を当てるかは個々の問題点に合わせた指導が求められ、一概には言えません。しかし、一般的にどの因子が影響するかについて知っておくと、対象の行動変容の動機付けを目的とする指導の一助になるかと思います。
そこで、今日は心臓病発症後の長期生存率に影響する因子をおよそ10年間の期間調査した報告の紹介となります。この報告では、phaseⅢ心臓リハビリテーションを受けた患者のその後、生存率を低下させる因子として
「年齢>70歳」
「最高酸素摂取量(peak VO2)<15ml/kg/min(男性)」
「最高酸素摂取量(peak VO2)<13ml/kg/min(女性) 」
が強く影響しており、良好なpeak VO2を維持した群と、peakVO2が改善した群とでは死亡率のハザード比に差がなかったとのことでした。
さらに特徴的なのが、BMIによる肥満の程度よりも、peakVO2の値が生存率に強く影響していました。
今回は細かな栄養状態の評価や、介入終了後の運動アドヒアランス、投薬内容の変更についての情報はないため、一概には体力だけが予後を良好にするとは断言できません。
しかし、今回の対象者のpeakVO2の変化値の平均は3.81ml/kg/minと、1METs以上の改善を認めており、予後を改善すると言われる値を超えた
変化を示しています。
この事より、少なくとも体力を良好な状態に保つことは予後にポジティブな影響を与えることが示唆されています。
今日はここまで。
ではでは!