田舎の理学療法士

田舎の急性期大学病院勤務PT&大学院生PTのメモ用ブログ(2人で運営してます)

2019年度心リハ指導士講習会のまとめ①運動生理学・心臓病学編

どうも。

田舎のPT、イナピーです。 

7/15の心リハ指導士試験、ようやく終わりましたね。

日々の多忙な業務の合間を縫っての学習と受験、大変お疲れ様でした。

 

個人の意見としては、頑張って作った割には予想問題から出た問題はあまりなかったように感じています。

ですが、アウトプットを兼ねてのインプット作業はかなり良いデモンストレーションにはなったな〜という印象です。

そして何より、直前の講習会での赤字内容からの出題が多かった印象を受けました。

 

ですので、今回は試験のまとめとして、直前講習会でのメモの内容について小分けにしてここに記し、今回の予想問題シリーズを終えようかと思います。

 

7/14の18時から15日の13時まで、2日間に渡って行われる鬼の所業のような直前講習会。

散々試験勉強させておいて、最後に親の仇かのようなボリュームで赤字のオンパレード。

うまくいけば、一切勉強しなくてもこの直前の内容を網羅すれば合格できるんじゃないかというくらいの内容でした。

 

では、以下に記しておきますので、参考までに。

(★マークは出題されたような気がする内容です、曖昧な記憶で申し訳ありません)

 

各記事に散りばめられている★マークはそのままの形で出題されるわけではなく、大半は選択肢の一つとして出題され、一部には応用的な出題形式もありました。

また、2つ選べの選択肢は全体の約3割程度だったと記憶しています。

 

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「運動生理学・心臓病学」1時間10分 講師:伊藤春樹 

赤字が少ないけど、大事なところは繰り返し説明していた(話が長い!)

 

・冠循環:

★冠血流の調節はα受容体が重要 運動前後で4倍→COと一緒!

心筋酸素消費量:二重積(DP)=HR×収縮期血圧(SBP)で簡易的に観察する

 

・運動時の血行動態:心拍出量(CO)=心拍数(HR)×1回心拍出量(SV)

安静時と運動時で比べると、SVは1.5倍、HRは3倍

よってCOは4-5倍程度増加する

*SV=収縮能力、前負荷、後負荷が規定する

 

・運動中のSV増加機序:

SVが減少しないように収縮力を増加させてCOを代償する

ATpointを越えると交感神経活性が高まりSVは減少するが、代償的にHRが増加

結果的にCOは増加する

 

・前負荷:Frank-starling効果

SV=左室拡張末期径(LVDd)-左室収縮末期径(LVDs)

→量依存にCOが増えるおかげで、心筋の酸素消費は少なくて済む

→収縮能は交感神経亢進が関与

→心筋の力 - 長さ - 時間関係がSVを規定している 

 

・AT レベルでの自律神経活性の働き:

ATに到るまで自律神経活性を示すHigh Frequency(HF)が減少

→副交感神経活性は消失し、HRが上昇

→AT以上で交感神経活性が亢進してHR上昇

(DPの変曲点はAT point(LT point)とほぼ一致)

 

心不全患者では、もともとSVが少ないので代償的にやや頻脈となる

→HFは安静時より減少しており、交感神経活性亢進は早期に生じる

→到達しうるHR peakはむしろ低下する

→よってkarvonen 法では小さく(k≠0.4~0.6→0.2程度)する必要がある

(Omiya , Ito et al. Circulation J 2000;64:851-855)

 

★VO2=Q(=CO;O2輸送能)×C(a-v)O2(末梢のO2利用能) →FICKの式 

→運動開始時のVO2の上昇はCOを反映(Weber KT et al.Am J Cardiology 1985;55:22A-31A)

→Qの規定因子:ポンプ機能、血管拡張能、Hb 

→VO2の規定因子:骨格筋質および量→筋繊維のタイプごとの特徴

 

・心肺運動負荷試験(CPX)とFITT:

運動強度(VO2, HRなどの生体指標)、負荷量(強度 × 時間)、仕事率(WR)を考慮する

 

・1段階負荷に対するVO2の反応:定常負荷(CWR)において、運動開始直後のVO2変化静脈血は安静時の静脈血を反映するので、その間はO2輸送能が上昇した分の直接的なCOの増加を反映する。その後はタウon(O2 deficit)となる

 

・運動中の心拍出量動態を把握するのにΔVO2/ΔWRを観察する

 

心不全患者の運動耐容能評価は、運動時間ではなくpeakVO2を見る

MaxVO2:WRが増加するのにも関わらず、VO2増加が見られない時のVO2

 

・酸素脈=SV × C(a-v)O2=15が正常

 

・ATの算出方法の説明 VCO2/VO2, VE/VO2で見る

★運動処方はAT の1分前のWRを選択しよう!

(CPX結果から運動処方を行う際に抑えるべきポイント)

 

・VE/VCO2 slope → VE=VA+VD:

死腔換気量の増加が大きいほどslopeの傾きは増加する=傾きが大きいほど重症

★Oscillation:慢性心不全患者で見られると、chemoreflexの亢進+SASの疑い、生命予後不良

(Oscillationが図示してあり、推察されるものを選択肢から選択)

 

・酸素輸送能:OUES(酸素輸送効率)、VE/VCO2 slope, タウon/off、ΔVO2/WR、AT、peakVO2, 最大筋力 の順に関係が強い。

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すごい速さで話とスライドが進んでいく中で、こんな感じでメモしてました。

以上、私が書き取れた範囲での講習会内容となります。

 

次回は急性期〜慢性期での運動処方の内容についてです。

ではでは。