田舎の理学療法士

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2019年度心リハ指導士講習会のまとめ⑥病態生理、診断治療編

どうも。

田舎のPT、イナピーです。

 

講習会まとめシリーズ最終、第6弾は病態生理、診断治療編です。

ここから出題された内容が、今年一番多かった印象です。

だからこそ、しっかり理解している医師の合格率が他の職種より高いんですかね。。。?

 

では早速、よろしくお願い致します。

 

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「病態生理、診断治療」

1時間 木庭新治先生 赤字多め!たくさん教えてくれる。

 

運動療法の効果:

最大心拍数低下、左室リモデリング改善、狭窄度の進展抑制

凝固能の向上、HDLコレステロールの増加

 

・慢性心不全の定義:LVEF≦40%、BNP80pg/mlあるいはNT-proBNP400pg/ml

 

★冠血流量:RCAは左室の25%、LCXは左室の35%を走行、LADは左室の40%を栄養

 心筋酸素消費量と冠血流量は直線関係 

 冠動脈予備能は75%狭窄で運動負荷により心筋虚血を生じ易い

 

★不安定狭心症

「新規に労作性に胸痛出現」、「増悪型」、「新規に安静時に胸痛出現」

の3つのタイプがある

攣縮性(異型)狭心症日本人の心筋梗塞は攣縮(spasm)の関与が大きい

 

至適薬物療法 / Optimal Medical Therapy(OMT) :ABCDEの5つがキーワード

 A:抗血小板薬+硝酸薬

 B:β-blocker+血圧

 C:コレステロール+禁煙

 D:食事+糖尿病

 E:教育+運動

 

COURAGE trial:

安定冠動脈疾患においては、初期治療にOMIにPCIを併用してもMI発症率や死亡率などの有意な改善を認めない。

 

DAPTアスピリンとチエノピリジン系(クロピドグレル )の二剤併用が、アスピリン単独やアスピリン+ワーファリンに比べてステント血栓症を有意に抑制

 ベアメタルステント(BMS):少なくとも1ヶ月はDAPT継続

 薬剤流出性ステント(DES):少なくとも1年間はDAPT継続

 

★PADとFontaine分類:運動療法Fontaine分類2度(間欠性跛行適応

 PADの治療ガイドラインTASCⅡを参照 

→監視型運動療法を推奨

→下肢疼痛を生じるまで負荷を上げて、疼痛出現までと疼痛緩和するまで休憩

 (1-5分)を繰り返す

跛行を改善する根拠:主に骨格筋内の酸素利用効率の改善

 

★大動脈解離とStanford分類:

Stanford A(上行大動脈に解離あり):偽腔開存型は破裂リスク高 ope適応

Stanford B(上行大動脈に解離なし):血栓閉塞型の降圧管理

→SBP<130mmHg、負荷後は<150mmHg

*CT画像で上行大動脈を同定でき、かつ

 運動療法時の血圧管理の基準が理解できているかを問われる

 

心不全は運動耐容能(Aerobic Exercise Capacity:AEC)が低下している

NYHA1:6METs(AEC≧80%)

NYHA2:3.5~5,9METs(AEC:60-79%)

NYHA3:2~3.4METs,(AEC:40-60%)

NYHA4:1~1.9METs(AEC<40%)

→AEC80%未満に該当するNYHA2度以下が心リハの対象となる

 

★自覚症状と身体所見:心不全では聴診音低心拍出量の症状を把握しておく

心不全と左心不全における症状の違いを理解することが求められる

 

チアノーゼの診断基準:毛細血管内血液の還元Hb≧5g/dl

中枢性と末梢性に分かれ、後者では末梢循環不良による四肢の冷感

貧血ではチアノーゼは生じない

 

心不全の病態と関連のあるホルモン、伝達物質

神経体液性因子:

ノルエピネフリン、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系バソプレシン

心筋保護因子:

ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP),プロスタグランジン、一酸化窒素(NO)

 

睡眠時呼吸障害(SDB)10回/時間の呼吸停止低呼吸の回数5回以上 

自覚症状があると睡眠時無呼吸症候群(SAS)とされる

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)上気道の閉塞SDBの大部分を占める。

 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)

呼吸中枢の停止、心不全患者の睡眠時無呼吸の5~8割はCSAに当たる

 

心不全患者における骨格筋の減少と質の低下

タンパク質の異化亢進同化抑制が原因

 

★大動脈弁狭窄症(AS):

硬化性が一番多い。

risk factorは男性、加齢、喫煙、DL、HT、CKD、DM

AS患者のポイントとなる症状:心不全、失神、狭心症

心不全発症で2年以内失神で3年以内狭心症状で5年以内の死亡率が高い)

 

★僧帽弁逆流症(MR):見かけ上の左室駆出率(LVEF)上昇、LVEF<60%で予後不良

 一次性:僧帽弁逸脱、リウマチ熱、感染性心内膜炎

 二次性:心筋梗塞(乳頭禁断裂)、拡張型心筋症**、大動脈弁逆流症

**★拡張型心筋症:左室のびまん性収縮障害左室拡大が特徴

 

★高血圧と心血管リスク:持続性高血圧仮面性高血圧がハイリスク

家庭血圧:≧135/85mmHg

診察室 :≧140/90mmHg

 

★降圧薬と副作用:

Ca拮抗:浮腫

ARB&ACE阻害薬:カリウム血症

K保持性のサイアザイド系利尿:カリウム血症

ミネラルコルチコイド(アルドステロン):カリウム血症、女性化乳房

β-blocke :気管支喘息の悪化 

 

脂質異常症の基準:空腹時採血において、以下のいずれかを満たす場合

 LDL-cho≧140以上、HDL-cho<40未満、中性脂肪(TG)≧150

 

★リポタンパク:

スタチンはLDL受容体を増やし血中LDL減少を促進

LDLの半減期は2-5日 

カイロミクロンは食後に出現。

VLDLは脂肪酸を運搬し、LDLが肝臓へ運搬される

LDLはメタボリックシンドロームと相関なし

 

動脈硬化の絶対リスクと脂質管理目標:

ACS二次予防はLDL<70、non-HDLコレステロール<100

 

★糖尿病のポイント:

高血糖の原因はインスリン分泌障害(一次性)と抵抗性(二次性)

診断基準はHbA1c≧6.5%、75g経口糖負荷試験(OGTT)≧200mg/dl

DMの合併症「しめじ:神経障害、網膜症、腎障害」に加えて、

大血管障害の合併症:心筋梗塞脳梗塞、末梢閉塞性血管障害

 

HbA1cの合併症予防の目標値:

HbA1c<7%

空腹時血糖<130mg/dl

食後2時間血糖値<180mg/dl

 

サルコペニア握力、歩行速度、筋肉量の3つが重要。

握力:男性<26kg, 女性<18kg

歩行速度:<0.8m/sec

筋肉量(DXAで評価):男性<7kg,、女性<5.4kg 

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以上となります、長くなってすみません。

 

内容から察するに、臨床場面において生活指導をしっかり行っていれば

講習会の内容が良い復習となり、容易に回答できる内容が多かったように感じました。

 

にしても、この講習会の内容が一番濃かったように感じます。

それと、PADや心不全に関連する話はその他の講習会とover lappingしてました。

 

ようやく試験関連の記事が終わりました!

今月中には合格発表があるとは思いますが、皆さんの合格を祈願しています。

そして、いつも読んでいただき感謝しております。

 

ではでは!