田舎の理学療法士

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心臓リハビリテーション指導士試験の予想問題⑦:運動療法の適応・禁忌・リスク編

どうも。

田舎のPT、イナピーです。

 

今回は心リハ指導士の予想問題第7弾です。

本日の内容は「運動療法の適応・禁忌・リスク」について。

 

答えは、一番下に書いてありますのでご参照ください。

 

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1.運動療法の中止基準として正しいものを2つ選べ:

a.脈圧の減少(収縮期血圧拡張期血圧≦30mmHg)

b.運動中の収縮期血圧の低下(≧10mmHg)

c.発汗、息切れ

d.呼吸数≧40回/分

e.労作時の心室性期外収縮の出現

 

2.運動療法の禁忌に該当するものとして正しいものを2つ選べ:

a.手術困難な高リスク心疾患

b.末期腎臓疾患

c.活動性心膜炎

d.代償性心不全

e.重篤な大動脈弁狭窄症(弁口面積0.75cm2未満かつ最大圧較差>50mmHg)

 

3.心臓リハビリテーションの効果について、エビデンスレベルAとされているものを2つ選べ:

a.虚血性心疾患患者における運動耐容能や死亡率、入院率を改善する

b.心筋灌流の循環や狭窄率を改善する

c.心筋虚血閾値の上昇による狭窄症発作を軽減する

d.左室拡張機能やリモデリングを改善する

e.交感神経亢進状態だけでなく、抑うつも改善する

 

4.レジスタンストレー二ングの効果について適切なものを2つ選べ:

a.除脂肪体重を増加させる

b.基礎代謝を増加する

c.安静時心拍数を減少させる

d.一回拍出量を減少させる

e.最大運動時の二重積を減少させる

 

5.心疾患患者に対するレジスタンストレーニングについて、誤った内容のものを2つ選べ:

a.重症肺高血圧(平均肺動脈圧>55mmHg)、不安定な冠動脈疾患を有する症例は絶対禁忌に該当する

b.4METs未満の運動耐容能、高血圧(>180/110mmHg)を有する症例は絶対禁忌に該当する

c.NYHA Ⅲ、低運動耐容能の心不全患者では、運動強度が正しく設定されれば導入初期から週4回以上の頻度で実施する

d.運動強度は下肢50-60%1RMとし、大筋群を対象とした運動形態とする

e.プログラムの導入時期は、術後5週経過しているか、監視下運動プログラムへの参加から4週間経過した時点である

 

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[運動療法の適応・禁忌・リスク]のポイント

運動療法の適応と禁忌(p222, 表1参照):

 ・適応:キーワードは「安定」と「単純な疾患名

f:id:t-memo:20190620193129p:plain

 ・禁忌:キーワードは「不安定」「重篤」「急性

f:id:t-memo:20190620194148p:plain


運動療法の中止基準 (p239, 表18参照)

f:id:t-memo:20190620195842p:plain

 

レジスタンストレーニングの禁忌と導入時期(p228, 表7,8):

 ・キーワードは運動療法の禁忌事項と似通っている

f:id:t-memo:20190620201452p:plain

 

 ・導入時期:以下の2パターンがある。

 ①心筋梗塞発症後あるいは心臓外科手術後、最低でも5週間経過しており、特に監視型運動療法4週間継続して参加した経験があること。

 

 ②PTCAなどの治療後3週間は経過しており、特に監視型運動療法2週間継続して参加した経験があること。

 

●心臓リハビリにおける運動療法の効果(p207, 表3):

 ランクAとされる項目を抜粋

f:id:t-memo:20190620204348p:plain

 

有酸素運動と比較したレジスタンストレーニングの効果(p229, 表9):

 有酸素運動よりもレジスタンストレーニングが優位に改善させる項目として

「除脂肪体重」「筋力」「基礎代謝 が挙げられる。

ただし「糖代謝」「最大持久性時間」「亜最大運動時の二重積」については、

有酸素運動とともに大きく改善する。

 

[答え]

b,d/ c,e,/ a,c/ a,b/ b,c

 

[参考資料]

 日本心臓リハビリテーション学会編.心臓リハビリテーション必携.コンパス(株), 2014年, 第4版, ISBN978-4-99058310-1 C3047

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今日はここまで。

 

今日もありがとうございました。

ではでは!