田舎の理学療法士

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心臓リハビリテーション指導士試験の予想問題⑨:「応急処置・安全管理・算定基準」編

どうも。

 

田舎のPT、イナピーです。

今回は心リハ指導士の予想問題第9弾です。

 

本日の内容は「応急処置・安全管理・算定基準」について。

 

答えは、一番下に書いてありますのでご参照ください。

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1.次の説明のうち、誤ったものを2つ選べ:

a.気温が35度を超える場合は、原則運動は禁止となる

b.熱中症では、体温上昇と脱水により腎機能障害と多臓器障害を併発する

c.高齢者は暑熱順化が早く、水分摂取を控える傾向がある

d.熱中症の対策として、涼しい場所へ移動することは有効である

e.高温多湿の状況では、発汗が促進され熱放散が促進される

 

2.次の対処のうち、正しい説明のものを2つ選べ:

a.胸痛発作時の対処の手順は、「運動中止」→「硝酸薬投与」→「安静」→「12誘導記録」→「循環器医へ連絡」

b.上室性期外収縮が頻発する場合、キシロカインを投与する

c.心室細動に対しては、処置が1分遅れるごとに10%死亡率が増加する。

d.胸骨圧迫は10cm以上圧迫し、100-120bpmの速度で実施する

e.健常者における運動療法中の心事故発生率は1/56万人・時間である

 

3.次の説明のうち、誤ったものを2つ選べ:

a.アメリカの外来心疾患患者の運動療法中の心事故発生率は1/6万患者・時間との報告がある

b.日本では急性心筋梗塞患者に対してステントを挿入した患者における運動療法中の心事故発生率は0.023%とされている

c.心房細動になったら、キシロカインを投与する

d.胸骨圧迫は100-120bpmの速さで5cmの深さまで行う

e.胸部症状が出現しても、心電図に異常がなければ心臓マッサージの選択肢は除外しても良い

 

4.意識消失時の救急蘇生アルゴリズムとして正しいものを選べ:

ア:気道を確保し、呼吸のチェックを行う

イ:AEDが到着したら使用する

ウ:体動や反応の有無を確認する

エ:脈がなければCPRを開始する

オ:119番または緊急番号に通報

a.ウ→オ→ア→エ→イ

b.オ→ウ→ア→エ→イ

c.オ→ア→ウ→エ→イ

d.オ→ア→ウ→イ→エ

e.ウ→オ→ア→イ→エ

 

5.次の選択肢のうち、正しいものを2つ選べ:

a.入院の心臓リハビリテーションの取得単位数は、1日あたり18単位、週108単位を上限とする

b.発症日から起算して14日を限度として45点を初期加算として所定点数に加算できる

c.作業療法士も専従登録が可能となっている

d.病院については20平方メートル以上の専用の機能訓練室を有する

e.心大血管リハビリテーション料Ⅰは1単位200点である

 

6.心大血管リハビリテーション料Ⅰを算定する基準に該当するものを2つ選べ:

a.専従の常勤看護師2名と専任の常勤作業療法士1名が勤務している

b.病院について、20平方m以上の専用の機能訓練室を有する

c.心大血管リハビリテーション料Ⅰは1単位215点である

d.専用の機能訓練室に運動負荷試験装置を設置する必要がある

e.仙人である心臓血管外科の常勤医師1名が心臓リハビリテーション実施時に

病院内にいる

 

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[応急処置・安全管理・算定基準]のポイント

熱中症予防のための運動指針

高温多湿:35度以上は運動は原則禁止

 高体温と脱水により腎機能障害と多臓器障害を併発する。

 多湿により汗の蒸散が阻害され熱放散の効率が低下する。

・高齢者では暑熱順化が遅い暑さを感じにくい水分摂取を控える傾向がある。

→指導として、「水分摂取」「涼しい場所への移動」「服装の注意」が望ましい。

 

運動療法と心事故率

運動療法中の心事故発生率:

 アメリカで1/60,000患者・時間健常者で1/560,000人・時間

 日本では、急性心筋梗塞(AMI)に対してステント術を施行した患者で0.023%

 

運動療法中のイベント時の対応

運動療法中の胸痛出現時の対応:

f:id:t-memo:20190624192903p:plain

・VFに対しては、処置が遅れると毎分10%ずつ死亡率が増加

 

・新規の心房細動に対しては、リドカイン(キシロカイン)ではなく、プロカインアミド(アミサリン)を選択

 

・胸骨圧迫は5cm以上圧迫し、100-120bpmの速度で実施する

 

意識消失時の救急蘇生アルゴリズム:(pp266-268, 表36)

f:id:t-memo:20190624194454p:plain
A→B→C→Dの順序で確認

 

●施設基準、算定基準:

・取得単位数:18単位/日、108単位/週 が上限となる

 1単位あたり(心大血管Ⅰ):205

         (心大血管Ⅱ):125点 それぞれ150日間算定可

 *心大血管Ⅱは医師不在でも発症後1ヶ月経過していれば可

 

・算定(pp324-330):

①心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)に関する施設基準

 医師:常勤の循環器 or 心臓血管外科医いずれか1人以上が専任として心リハ実施時間において勤務(常勤の医師と専任医師は同一人でも可)

 専従理学療法士または看護が合わせて2人以上/どちらか一方が2人以上

 専任理学療法士、看護師以外に作業療法士が登録可

 訓練室:専用の訓練室が「病院≧30m2」、「診療所≧20m2

 必要な機器

  酸素供給装置、除細動器、心電図モニター装置、血圧計、トレッドミル又は

  エルゴメーター、救急カート、運動負荷装置(訓練室にある必要はない)

 カンファレンス:定期的に担当の多職種が参加するカンファレンスを開催

など。

 

②診療報酬の算定方法:発症/手術/急性増悪から7日目/治療開始日が起算

 初期加算:上記から起算して14日を限度として45点を加算する

 早期加算:上記から起算して30日を限度として30点を加算する

 

[答え]

c,e/ c,e/ c,e/ a/ a,b/ a,e

 

[参考文献]

  日本心臓リハビリテーション学会編.心臓リハビリテーション必携.コンパス(株), 2014年, 第4版, ISBN978-4-99058310-1 C3047

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今日はここまで。

 

とうとう7月になりましたね。

緊張してきましたが、やるしかないです!!

発表もある方もいるでしょうから、一緒に頑張りましょうね。

ではでは!