田舎の理学療法士

田舎の急性期大学病院勤務PT&大学院生PTのメモ用ブログ(2人で運営してます)

心臓リハビリテーション指導士試験の予想問題⑧:「運動療法と薬剤」編

どうも。

田舎のPT、イナピーです。

今回は心リハ指導士の予想問題第8弾です。

 

本日の内容は「運動療法と薬剤」について。

 

答えは、一番下に書いてありますのでご参照ください。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  

1.次の設問のうち、正しいものを2つ選べ:

a.心室性頻拍に対して、プロカインアミドは適応となる

b.心房細動に対して、リドカインは適応となる

c.アミオダロンはⅣ群に分類され、心室細動に対して適応となる

d.心房細動に合併する血栓症予防として適応となるワーファリン、プラザキサは

   どちらもビタミンKの摂取を控える事が勧められる

e.ワーファリンと納豆、緑黄色野菜過剰摂取の組み合わせは禁忌とされる

 

2.次の設問のうち、副作用の危険性の少ない組み合わせとして正しいものを2つ選べ:

A.喘息 - プロプラノロール

B.リバロキサバン - ビタミンK摂取

C.ジルチアゼム - β阻害薬

D.高K血症 - アルダクトン

E.低K血症 - スピロノラクトン

 

3.副作用で心拍数が上昇すると予想される薬剤として適当なものを2つ選べ:

a.ニフェジピン

b.プロプラノロール

c.ベラパミル

d.硝酸薬

e.ジルチアゼム

 

4.次の組み合わせのうち、副作用が発現する恐れのある組み合わせとして誤ったものを2つ選べ:

a.ニカルジピン - グレープフルーツ

b.ジルチアゼム - レモン

c.ワーファリン - 青汁

d.スタチン - オレンジ

e.エドキサバン - セントジョーンズワート(西洋弟切草)

 

5.次の組み合わせのうち、リスク管理のモニタリングとして誤ったものを2つ選べ:

a.フロセミド - カリウム

b.ダビガトラン - PT-INR

c.ワーファリン - APTT

d.スタチン - CK

e.ベラパミル - 心拍数

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  

[運動療法と薬剤]のポイント

●上室性/心室不整脈に対する薬物治療:

・心房細動/粗動:

 Ⅰa:プロカインアミド(アミサリン)上室性・心室ともに適応

 Ⅰb:リドカイン (キシロカイン)は不適応。

・Ⅰb:リドカイン心室に対して適応。QT, QRS延長を伴わない。

・VTはⅠa/ Ⅰb共に適応

 

●変時作用と変力作用:

①副作用で頻脈を誘発する薬剤:

 亜硝酸、Ca 拮抗薬(ペルジピン、ニカルジピンなどのジヒドロピリジン系)

②副作用で徐脈を誘発する薬剤:

 β blocker, Ca 拮抗薬(ベラパミル、ジルチアゼム(非ジヒドロピリジン系))の

陰性変時・変力作用を有する薬剤。

*ジルチアゼムは伝導系抑制作用があるので、βblockerとの併用は禁忌

 

●副作用一覧:

①ACE阻害薬、ARB高K血症ACE阻害薬:空咳

スピロノラクトン女性化乳房

③ニコランジルなどの硝酸薬:頭痛(血管拡張作用を有するため)

④スタチン:筋肉痛(横紋筋融解症)、ミオグロビン尿

⑤β遮断薬(プロプラノロール:アーチスト):喘息(β1を選択的に阻害するビソプロロールフマル酸塩酸はそのリスクが低い)

⑥アミオダロン:間質性肺炎甲状腺機能低下症(Ⅲ群に含まれ、VTを抑制)

 

●禁忌となる組み合わせ:

Ca拮抗薬とグレープフルーツは効果を相殺するので禁忌。

 ただし、オレンジ、レモンなどは影響しない

ワーファリンと[青汁(ビタミンK)、納豆クロレラ]

(ビタミンKとカリウムを間違えないように!)

③非弁膜症性心房細動に対する抗凝固治療薬:NOAC(=DOAC)

 4種類:ダビガトラン(プラザキサ)、とキサバン系のリクシアナ、イグザレルト、エリキュース

 ワーファリンと作用機序が異なるので、ビタミンKの摂取制限がない。

セントジョーンズワートを含むサプリなどを併用しない

③ジルチアゼムとβ blockerは伝導系抑制作用を増強するため禁忌。

 

●利尿剤の作用:

カリウムを下げる薬:Kを再吸収しないフロセミドなどの~ミド系、チアジド(サイアザイド)系

→低カリウム血症に注意。

カリウムを保持/上げる薬:アルダクトン、スピロノラクトン、エプレレノン

→高K血症に注意。

 

*Vaughan Williams分類と使用上の注意(pp65-67, 表3、図28)

f:id:t-memo:20190624062741p:plain

 

[答え]

a,e/ b,e/ a,d/ b,d/ b,c

 

[参考資料]

 日本心臓リハビリテーション学会編.心臓リハビリテーション必携.コンパス(株), 2014年, 第4版, ISBN978-4-99058310-1 C3047

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  


今日はここまで。

 

今日もありがとうございました。

ではでは。