2019年度心リハ指導士講習会のまとめ⑤臨床心理学編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今日の内容は、臨床心理学についてです。
曖昧で申し訳ありませんが、こちらも直前での講習会から出題されたように思います。
出題数は多くなく、、
- 不安抑うつの評価尺度
- タイプDの特徴
の2問程度でした。
では、よろしくお願い致します。
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「臨床心理学」40分 去年と同じ文京大学の人
・不安抑うつの低減、ストレス対処の改善が心リハにおける心理学的目標
→QoLの改善につなげていく
・マイクロカウンセリング( Ivey, 1985):
1.感情の受容:共感、共有、相槌を打つ
2.感情の反映:ノンバーバルな表現による返し
(こういう風に辛いんですね、心配なんですね)
3.繰り返し:話題のエッセンスを的確にまとめてその言葉で繰り返すこと
4.感情の明確化:漠然とした患者の言葉を言語化して整理する
5.承認、再保証:支持は一種の承認であり、承認は自己受容を促す
健康行動の自発的な実行の原動力となる→行動に対する賞賛を推奨
6.非指示的リード:目的への行動へと導くようにopen questionで行う
*ダメな聞き方:
Yes/no のclosedな質問方法
→詰問されている感覚になるため推奨されない
→情報収集量が少なくなる
・認知行動療法(CBT):学習理論を基盤とする。
行動における認知、態度、信念などの役割を再認識し、行動変容を促すための概念。
エビデンスレベルA
認知療法の技法の中でも特に重要な要素は認知再構成療法
CBTは抑うつに有効であり、再発率は薬物療法よりも有意に低下させる
・BCTにおけるセルフコントロール:
自己決定による行動変容を促すために以下の要素を意識して指導する
1.目標行動の設定:認知行動変容の第一段階
2.自己監視法:体重や血圧の記録など自分の行動の記録
3.刺激統制法:
行動時に場所やタイミングなどを決めて禁煙禁酒、食生活改善、運動習慣是正を図る
4.自己契約:行動を契約して報酬をセッティングし、動機付けを向上
5.自己教示:周りにやるぞと宣言させる
6.自己強化と自己罰:報酬や罰を自ら与える方法
★心理アセスメントと尺度:
抑うつ:BDI, SDS, CES-D, HADS
不安:MAS, STAI
覚え方については、過去の記事にある大問8の答え部分をご参照ください
・心理的特徴:
タイプD:ネガティブ感情(NA)、社会的抑制(SI)、NAとSIが高い(Distress)
3.8倍のオッズ比で心イベントが高い
心理的特性をどう変容させるか:
マルチコンポーネント心理療法、生理学的或いは自己コントロール心理療法
→心理的介入は、発症から期間を空けてから介入しないとネグレクトが生じ、
死亡率改善につながらない。
→タイプDの改善は死亡率を54%低下
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以上です。
筆者は普段から外来心臓リハビリに従事しておりますので、内容自体は身近な内容で
非常に興味深く拝聴させて頂きました。
いかに医療のレベルが向上しようとも、患者のアドヒアランスを含めたヘルスリテラシーが向上しないことには行動が変わらないことは往々にして感じる部分ではあるかと思います。
諸外国でもヘルスリテラシーへの着目は重要とされていて、低所得者や教育レベルの比較的低い人種において認める低いヘルスリテラシーが心血管リスクにつながるとの報告もあるくらいですから、無視できないポイントではあります。
今日はここまで。
次回は病態生理、診断治療についてのまとめです。
ではでは!