心臓リハビリテーション指導士の予想問題②:循環器疾患の症候・検査編
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
今回は心リハ指導士の予想問題第2弾です。
一応、教科書(心臓リハビリテーション必携)の内容に沿って作成しているつもりです。
何か不具合のある問題がありましたら、コメント下さい。
急いで修正します。。。
本日の内容は、「循環器疾患の症候や検査」について。
答えは、一番下に書いてありますのでご参照ください。
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1.胸部レントゲン所見で右心不全を評価する項目として正しいものを2つ選べ:
a.右第1弓
b.大動脈弓
c.右心房
d.左心房
e.肺動脈
2.胸部レントゲン所見で、心不全増悪を示唆する所見として誤っているものを2つ選べ:
a.CP-angleが鋭角となっている
b.カーリーBラインを認める
c.左第3弓が突出している
d.バタフライシャドウを認める
e.横隔膜が上昇している
3.心筋梗塞発症後、心雑音を認める合併症として正しいものを2つ選べ:
a.心室中隔穿孔
b.僧帽弁閉鎖不全
c.心室瘤
d.大動脈弁狭窄症
e.大動脈弁閉鎖不全症
4.心筋梗塞患者に対する心エコーで評価できる項目として誤ったものを2つ選べ:
a.壁運動に軽度異常を認めるため、Mモードで左室径を計測した。
b.拡張能を評価するためにBモードで測定した。
c.左室内血栓の有無を評価した。
d.より精確な駆出率を見るためにBモードで測定した。
e.弁逆流の程度を評価するためにパルスドプラを用いて測定した。
5.畑作業中に胸部不快感を訴え、来院した80歳男性。心筋SPECT画像の結果から同定される虚血部位として正しい組み合わせを2つ選べ:
6.身体計測の方法として正しい組み合わせを2つ選べ:
A.転子果長:大転子から内果
B.大腿周径:仰臥位で、膝伸展位
C.胸囲:立位で上肢を前額面上で水平に挙上
D.上腕長:肩峰外側端から橈骨茎状突起まで
E.腹囲:立位で上肢を体側に下垂
7.身体機能検査について、正しいものを2つ選べ:
A.等尺性膝伸展筋力:体重比が40%を下回ると、平地歩行が困難となる
B.Timed Up and Go test:20秒以上で階段や外出が困難となる
C.片脚立位保持時間:10秒未満となると、歩行において何らかの介助を要する
D.握力:女性において10kg未満はサルコペニアの診断に含まれる。
E.Functional reach test:15cm未満は転倒の危険性が高い
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「循環器疾患の症候・検査」
● レントゲン所見:
レントゲンから得られる情報として、突出している部位がないか確認。
・右第1弓=上大静脈 右第2弓=右心房
左第1弓=大動脈弓 左第2弓=肺動脈
左第3弓=左心房 左第4弓=左心室
⇨それぞれの部位の対応を覚える。
・カーリーライン
Kerley`s B line :
⇨鬱血性心不全、リンパ増殖性疾患で(+)
肺の外側に見られる。肺静脈の鬱血、広義の間質における浮腫を示す。
Kerley`s C line:
⇨両側にバタフライシャドウ(+)
鬱血が間質まで影響してるので網状影
・胸水:CP-angleで鋭角が正常。
⇨鈍角になってたら胸水貯留を疑う。
・横隔膜高さ:両側平坦で正常。
⇨上昇してたら、
「肥満/肝腫大/撮影時に息が吸えていない」
などを疑う。
● coronary CT:
⇨非侵襲的にプラークの評価ができる。
石灰化が強い、重症不整脈の際には綺麗な画像が得られない弱点がある。
● 心筋梗塞後の心雑音:心雑音を認める合併症は、以下の通り。
⇨心室中隔穿孔、乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全症、左室破裂
● 心エコー:
・Bモード:
⇨心臓の形態を二次元で評価。
弁や心筋の動態をリアルタイムに計測可。
・Mモード:
⇨内腔の容積、駆出率などを評価。
二次元での形態的評価は不可能。
壁運動異常を有する場合、計測は不正確となる。
・modified sympson法:
⇨左室壁運動に異常をきたす場合、Mモードでは左室径の測定は不精確となるため、
比較的精確に測定できるBモード画像を用いるmodified symson法を選択する。
・カラードプラ:
⇨血流情報をカラーで二次元表示し、逆流や
短絡血流を評価。
近づくと赤、遠ざかると青く描出される。
・パルスドプラ:
⇨距離分解能があり、深さの同定が可。
拡張能(左室流入血流速度波形、僧帽弁輪部速度波形)を評価。
早い流速の測定は困難。
・連続波ドプラ:
⇨早い血流、圧較差の測定が可。
距離分解能がなく、測定位置の同定は不可。
・パワードプラ:
⇨血管径,血流量,血球量によりパワーが変化。
細くて流速の遅い部位の測定に最適。
単色のため血流方向は評価困難。
● 心筋SPECT画像(心筋シンチグラフィー)からの虚血部位の同定:
→集積低下領域が障害領域を示す
● 身体計測:四肢長や周径の計測の基準を確認(詳細はp183表9、図37を参照!)
⇨転子果長:大転子から外果
大腿周径:仰臥位で、膝伸展位
胸囲:立位で上肢を体側に下垂
上腕長:肩峰外側端から上腕骨外側上顆
腹囲:立位で上肢を体側に下垂
● パフォーマンステスト:
握力:
⇨女性<18kg、男性<26kgはサルコペニアの基準に該当
等尺性膝伸展筋力:
⇨体重比が40%を下回ると、平地歩行が困難
片脚立位テスト:
⇨5秒未満は転倒リスク大
Functional Reachテスト:
⇨15cm未満では階段や外出が困難
Timed up and go test:
⇨30秒以上で、階段や外出が困難
【答え】
1. a,c 2. a,e 3. a,b 4. a,b 5. a,b 6. b,e 7. a,e
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今日はここまで。
画像所見については、毎年数問出題される範囲かと思います。
心不全所見、解離所見など普段の臨床で見かけるものはしっかり復習して対策して
おきましょう。
また見ていただけたら幸いです。
ではでは!