心臓リハビリテーション指導士の予想問題③:代謝疾患
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
本日の内容は、
代謝疾患(糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム)
について。
答えは、一番下に書いてありますのでご参照ください。
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[ 代謝疾患(DM, DL, MS)]
1.メタボリックシンドロームの診断基準のうち、誤りのある項目を2つ選べ:
a.LDL>140mg/dl
b.TG≧150mg/dl
c.HDL<40mg/dl
d.空腹時血糖値≧110mg/dl
e .男性の腹囲≧90cm
2.次の説明のうち、誤りであるものを2つ選べ:
a.インスリンは肝臓に働きかけ、グリコーゲンの分解を抑制する。
b.メタボリックシンドロームではsmall dense LDLが増加し、LDLコレステロール値に反映される。
c.インスリンは血中のグルコースを骨格筋や脂肪組織へ取り込み、中性脂肪として貯蔵する。
d.インスリンは、血中のグルコースを肝臓へ取り込む働きを促進する。
e .酸化LDLは泡沫細胞の形成に関与する
3.代謝疾患における治療薬の説明として、正しいものを2つ選べ:
a.HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)は 肝臓でのコレステロール合成を促進する。
b.スタチンの副作用として、横紋筋融解症がある。
c.スタチンはLDL低値例に対しても適応となるコンセンサスが得られている。
d.エゼチミブは小腸からのコレステロール吸収を促進する。
e .フィブラート系薬は、LPL活性を高め、VLDLの異化作用を促進し、高トリグリセリド血症に対して効果を発揮する。
4.糖尿病の治療薬について、副作用で低血糖を生じにくい治療薬として誤ったものを2つ選べ:
a.DPP-4阻害薬
b.スルホニル尿素薬
c.SGLT2阻害薬
d.ビグアナイド薬
e .グリニド薬
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●メタボリックシンドロームの診断基準:
[TG≧150 , HDL<40 , 空腹時血糖値≧110 のうち2つ該当]
+
[腹囲が男性≧85, 女性90cm] とされる。
*診断基準に "LDLは含まれない" ことに注意
→病態としてsmall dense LDLが多く、LDL-choに反映されないため。
●インスリンと肝臓:
インスリンは肝臓に働きかけ、糖の産生(グリコーゲンの分解)を抑制。
血中のグルコースを肝臓へ取り込む働きを促進。
骨格筋や脂肪組織への糖取り込みを促進し、脂肪組織へは中性脂肪として貯蔵する。
(以下、図を参照)
●糖尿病の治療薬:副作用の低血糖が出現し難い薬剤5種類
→DPP-4阻害薬:インクレチン分解を抑制し、インスリン分泌促進
ビグアナイド薬:肝臓での糖分解を抑制し、インスリン抵抗性のみ改善
SGLT2阻害薬:腎臓での糖再吸収を阻害し、糖排泄を促進
α - グルコシダーゼ阻害薬:小腸での糖吸収を阻害
チアゾリジン:肝臓、骨格筋のインスリン抵抗性を改善
*スルホニル尿素薬(SU薬):血糖低下作用が強く、低血糖を引き起こし易い
*速攻型インスリン分泌促進薬(グリニド薬):SU薬よりも作用が小さいが、食前に服薬してから食事摂取しないと低血糖を引き起こす可能性がある
●高コレステロール症の治療薬:コレステロール合成を阻害する薬剤2種類
→HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン):メバロン酸の生成を抑制し、肝臓でのコレステロール合成を阻害
*LDL低値例への適応に関するコンセンサスは一定数報告されているが、未だ確証は得られていない
*副作用:横紋筋融解症
→エゼチミブ;小腸でのコレステロール吸収を阻害、約20% LDL-Cを低下させる
●脂質異常症の治療薬:
→フィブラート系薬は、中性脂肪を分解するLPL(リポ蛋白リパーゼ)活性を亢進
VLDLの異化作用を促進し、中性脂肪を減少させる
中性脂肪の異化作用を促進し、HDL-Cを増加させる
【答え】
1.a,e 2.b,c 3.b,e 4.b,e
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今日はここまで。
糖尿病薬については近年特に注目を浴びているので、今年は出題されるのでは
ないかと推察しております。
次回もよろしくお願い致します。
ではでは!