2018年度認定理学療法士試験の予想問題作ってみました「みんな共通指定研修編」
どうも。
田舎のPT、イナピーです。
来たる2019年3月2日、認定理学療法士の試験があります。
自分は今年、循環領域で受験する予定でして、研修会資料の赤字で示された部分を中心に、自主学習を進めていました。
ただ読むだけではあまりに退屈な内容で、息つく間もなく別世界へ誘われてしまうので、自分で問題を作って学習を進めていたんですよ。
このブログを読んでくださっている方の中にも、もしかしたら認定試験を受験する方もいるかもしれないと思い、参考程度に載せてみます。
めちゃ長いんで、これ読んでもなんの特にもならない人は読まないことをお勧めします。
取り組まれる方は、最初の問題を解いてから下の赤字のところで答え合せしていただければと思います。
必要な方々へのお役に立てれば幸いです。
「認定理学療法試験:共通問題」
1. 協会が目指す専門/認定の役割:化学と倫理、政策提言
・ヒポクラテスの誓いが4つ言える
→
・ヘルシンキ宣言(序言、医学研究の基本原則、倫理的原則)とは何を求めるものか
→
・ヘルシンキ宣言の原則を3つ言える
→
・リスボン宣言における主語は誰か
→
・個人情報の保護における対象は誰か
→
・倫理学の基本理念における人間とはどのような存在か
→
・人格概念のperson論における、人格を特徴づけるものを4つ答えよ
→
・医療倫理における世界社会(ニクラス・ルーマン)はそれぞれ何に分けられるか
→
・医療倫理から生命倫理へ発展した背景を答えよ
→
・環境倫理学のポイント3点を答えよ
→
・医療過誤における法的責任3つを答えよ
→
・加害者の主観を重視するものはどれか
→
・加害者が故意かどうかによりその負担の軽重が生じないものはどれか
→
・免許による医療の安全確保が目的となるのはどれか
→
・注意義務の水準について何が要求されるか / またその基準は何か
→
2. 臨床/疫学研究の推進:社会のニーズに応えた研究課題による学術と職能の融合
・臨床推論とは何か説明せよ。また、推論について一言で示せ。
→
・対立仮説の立て方を説明せよ
→
・症例検討に重要なトライアングルを示せまる
→
・研究デザインの種類を目的別に3つ答えよ
→記述研究:、 探索研究: 実験研究:
・研究の流れを3つ答えよ
→
・有意味な差の見方について説明せよ
→
・リサーチクエスチョンでは何が求められるか
→
・主な検定方法「差の検定」についてそれぞれ3つ答えよ
→2群: 3群:
・主な「関連性の分析」を4つ答えよ
→
・以下の6つの項目を、適当な症例報告の枠組みに組み分けよ
「相反する価値や倫理の意思決定」「新しい評価や治療の試み」「鑑別やリーズニングの論理・視覚化」「病態が稀有」「治療が奏功」「合併・重複する症例の解釈や適応」
→学術的視点:
臨床的視点:
・観察研究及び介入研究はどの承認を要するか
→
・症例報告でインフォームドコンセントが必要とされる場合を述べよ
→
・症例研究のデザインを4つ答えよ
→
・データ解析について7つ答えよ
→
・人を対象とする医学的研究の倫理指針における侵襲の定義が分かる
→
3. 根拠に基づく理学療法:学術情報の収集と作成、教育/臨床への活用
・EBPTの4つの概念について説明せよ
→(1) (2) (3) (4)
・WBPTの5つのステップを答えよ
→「」「」「」「」「」
・観察的研究は何に分かれるか3つ答えよ。また、縦断研究は何に細分化されるか2つ答えよ
→
・横断研究、コホート研究、無作為化比較試験はそれぞれ何を調査するのか
→横断: コホート: RCT:
・コホート研究とはどのようなデザインか
→
・コホート研究とケースレポートのメリットデメリットをそれぞれ3つ述べよ
→コホート メリット: デメリット:
→ケースレポート メリット: デメリット:
・ガイドライン、エビデンスレベルと推奨グレードに関わる研究デザインは何か。また、何に基づいてデザインすべきか
→
→
・リハの推奨グレードで多いのはどれか
→
・臨床実習の到達目標を答えよ
→
・卒前教育の役割を2つ答えよ
→「」「」
・卒前教育の到達目標を答えよ
→
・学生に許されている理学療法行為の範囲を4つ答えよ
→「」「」「」「」
・コアカリキュラムの単位数は
→
・専門科目の3区分とは
→「」「」「」
・コアカリキュラムの到達レベル4段階を答えよ
→「キーワードレベル:」
「知識獲得レベル:」
「臨床実習要補助レベル:」
「臨床実習見守りレベル:」
・臨床実習とキャリアラダーとの連続性で次に当たるphaseはどこか
→「自ら独立して理学療法が実践できる:」
「ある程度の助言・指導のもとに基本的理学療法を遂行できる:」
「指導・助言のもとで理学療法が遂行できる:」
「理学療法の基本的な知識と技術を習得するとともに自ら学ぶ力を育てる:」
・臨床実習指導者の要件について答えよ
→「」「」「」「」
5. 医療安全/労務管理:リスクマネジメント
・医療法における、医療安全対策の推進における基本的な考えを3つ答えよ
→「」「」「」
・2007年の医療安全の確保(医療法)における主要な改定内容を4つ答えよ
→「」「」「」「」
・医療事故の概念として重視されるポイントとは
→
・事故と認識されることは、どのようなことか
→
・施設の医療安全対策における医療安全委員会に含まれる5つの事項を答えよ
→「」「」「」「」「」
・労働基準法とは
→
・職業安定法とは
→
・労働者派遣法とは
→
・雇用保険法とは
→
・労働条件や服務規則などをまとめたものをなんというか
→
・セクシュアルハラスメント対策は誰の義務か
→
「答え合せ」
[1.の答え合せ]
・ヒポクラテスの誓いは4つ。「無危害の原則」「恩恵の原則」「正義の原則」「守秘義務」
・ヘルシンキ宣言とは「医学研究は、全ての人間に対する尊敬を深め、その健康と権利を擁護する基準に従わなければならない。科学的視点だけでなく、倫理的な観点からの妥当性が必要。」
・ヘルシンキ宣言における、全ての医学研究のための基本原則とは
「考察・論評・助言を添えて、特別に指名された倫理審査委員会に提出しなければならない」「対象者の自由意志によるインフォームド・コンセントをできれば文書で得なければならない」「ネガティブな結果もポジティブな結果と同様刊行又は他の方法で公表されなければならない」
・リスボン宣言における、11項目の主語は利用者(患者)
・個人情報の保護における対象は「生存する個人に関する情報」
・倫理学における人間とは、理性的存在とされる
・人格(person)概念とは「ヒト(生物学的な概念)と人格(固有の存在)を区分する」→「人格を特徴づけるのは自己意識、理性、道徳、感覚」
・医療倫理の変遷における世界社会(ニクラスルーマン)では社会システムの機能分化が進み、部分社会が形成されるが、それは2つに分かれる。「規範的予期分類(法、行政)」「認知的予期分類(医療、経済、テクノロジー)」
・医療倫理から生命倫理への発展の背景には「先端医療技術の進歩(高齢化社会、慢性疾患の増加、植物状態の患者の増加)」がある。
・環境倫理学の発展のポイントは3つ「自然の生存権」「世代間倫理」「地球全体主義」
・医療過誤における法的責任は3つ「刑事責任:加害者の主観を重視」「民事責任:加害者の故意・過失によりその負担に軽重が生じない」「行政上の責任:免許に関する医療の安全確保が目的」
・注意義務の水準とは「危険防止のため最善の注意義務が要求される。その基準は、診療当時における臨床医学の実践医療水準である」
[2.の答え合せ]
・臨床推論とは、論理的思考による鑑別の選択の反復(推論=仮説検証)
・対立仮説の立て方は、第一仮説の次に高確率と思われる要因、見過ごすと生命や重篤な機能不全につながるもの、治療方法が相反または異なるもの
・症例検討のトライアングルとは、「到達目標」「主な課題」「治療プログラム」
・研究デザインは、「記述研究(descriptive):特定の記述」「探索研究(exploratory):関係性の発見(相関、コホートとケースコントロール信頼性と妥当性)」「実験研究(experimental):原因と効果」
・研究の流れは3つ。第一段階:疑問-仮説-研究計画、第2段階:データ収集-分析、解釈、第3段階:発表-論文-振り返り→新たな課題へ
・リサーチクエスチョンは、「研究課題を同定」し、「研究課題の定義」を決め、「目的を明確化」することが求められる。
・差の検定について。2群:2標本のt検定、Mann-Whitney、Wilcoxon検定 3群以上:一元配置分散分析(Tukey, Bonferroni)、Kruscal-Wallis検定、Friedman検定
・関連性の分析について。Pearsonの積立相関係数, Spearmanの順位相関係数、重回帰分析、判別分析、多重ロジスティック分析
・臨床的に有意味な変化はMCID(minimally clinically important difference)で判断する。
・症例報告の枠組みは2つ・学術的な視点(病態が稀有、治療が奏功、新しい評価や治療の試み)と臨床的な視点(鑑別やリーズニングの論理・視覚化、合併・重複する症例の解釈や適応、相反する価値や倫理の意思決定)の2つがある。
・介入研究(治療効果の検証目的に2群に割り付ける、一定期間に特定の運動療法をあらかじめ継続する)に該当する場合は、IC取得を要する。
・観察研究、介入研究では生命倫理審査委員会の承認が必要とされる。
・症例研究のデザインは4つ。「withdrawal design: 基準期、介入期の後に撤回相を設けるA-B-Aデザイン」「multiple-base line design:基準期の水準が初期の基準値と同じであることを標準と考えない、A-B-A-Bデザイン」「change-criterion design: 介入期を細分化し、段階的な介入を続ける」「alternating intervention design: セッションを揃えて異なる介入を行った時の比較
・データ分析は7つ。「視覚的な分析」「Celeration line:accelerationとdecelerationを適合性の高い回帰式で提示する」「基準期の回帰式を介入期に外挿し比較するSplit middle line」「基準期の2SDの範囲で介入期のデータを比較する2SD band method」「基準期のbestなデータを超える介入期のデータ率を示すthe percentage of non-overlapping data(PND)」「エフェクトサイズ」「その他:C統計」
・人を対象とする医学的研究に関する倫理指針において、侵襲とは薬物投与や心的外傷に触れる質問等によって、対象者の身体または精神に障害又は負担が生じることを言う。」
[3.の答え合せ]
・EBPTとは4つの要素からなる。(1)臨床研究による実証報告としての科学的根拠、(2)理学療法士の臨床能力(3)施設の設備や機器の状況(4)患者の意向や価値観 を統合して最適な臨床判断を行い、質の高い理学療法を実践するための一連の行動様式。
・EBPTのステップは5つあり、「患者の問題の明確化:PI(E)CO」「質の高い情報の効率的収集:ガイドライン、システマティックレビューなど」「収集した情報の批判的吟味:研究デザイン、症例数、統計の妥当性」「情報を患者へ適応する:個別の問題に適用可能か?」「適用結果の分析」
・観察的研究は「症例研究」「横断研究」「縦断研究」に分かれ、縦断研究は、前向きな「コホート研究」と、後ろ向きな「ケースコントロール研究」に細分化される。
・コホート研究とは、ある属性を持つグループを特定してその経過を観察する研究デザイン。
・横断研究は、「診断(評価)」「有病率」を、コホート研究は「発生率」「原因」「予後」を、無作為化比較試験は「治療」「予防」を調査する。
・コホート研究と症例対照研究の長所短所。コホート研究のメリットは「リスクファクターと疾患の因果関係を推論可能」「同時に複数のアウトカムを研究」「事象の発生順序が分かる」
デメリットは「多数の対象者が必要」「長期にわたる研究期間が必要」「経費がかかる」
症例対照研究のメリットは「稀な疾患」「研究期間が短い」「経費が比較的安い」デメリットは「バイアスが多い」「一度に1因子しか研究できない」「事象の発生順序がわからない」
・ガイドライン、エビデンスレベルと推奨グレードに関わる研究デザインは、臨床疫学的研究であるメタアナリシスや、システマティックレビューで、PRISMAに基づいてデザインを決定する。
・理学療法診療ガイドラインが扱うものは、「評価指標」「介入(治療)方法」
・リハの推奨グレードで多いのは「グレードC1」
[4.の答え合せ]
・理学療法は生涯学習であり、卒前教育の役割は大きく2つ。「生涯活躍できる資質、知識、技術に関する基礎を築く事」「自ら学ぶための能力と習慣を形成する」
・卒前教育の到達目標は、「理学療法の基本的な知識と技能を習得すると共に、自ら学ぶ力を育てる」
・臨床実習の到達目標は「ある程度の助言・指導のもと、基本的理学療法を遂行できる」
・学生に許される行為は「患者に同意を得た上で行う」「指導者の指導・監督のもとで行う」「侵襲性がそれほど高くないと判断した行為」「臨床実習前に実習生の評価を行う」
・コアカリキュラムの指定単位数は「83単位」
・コアカリキュラムの到達目標は4段階あり、「キーワードレベル:その用語をどの文脈で聞いたかがわかり、自己学習できる」「知識獲得レベル:自分の言葉で説明できる」「臨床実習要補助レベル:学内実習で経験しており、臨書場面ではリスクが高く、指導者による十分な指導補助が必要なレベル」「臨床実習見守りレベル:学内実習の経験により臨床でもある程度自力で行えるレベル」とされる
・臨床実習とキャリアラダーの連続性で該当するphaseは、
自ら独立して理学療法が実践できる:臨床3-4年」「ある程度の助言・指導のもとに基本的理学療法を遂行できる:臨床実習終了時」「指導・助言のもとで理学療法が遂行できる:臨床1-2年」「理学療法の基本的な知識と技術を習得するとともに自ら学ぶ力を育てる:卒業時」
・専門科目の3区分は「基礎理学療法」「系統別理学療法」→治療・評価学、「地域理学療法」
・臨床実習指導者の要件は「5年以上業務に従事したもの」、以下のいずれかを修了したもの「厚労省指定の臨床実習指導者講習会」「厚労省および医療研修推進財団が実施するPT・OT・ST養成施設教員等講習会」「OT協会が主催する臨床実習指導者中級・上級研修」
[5.の答え合せ]
・医療法で定められている、医療安全対策の推進における基本的な考えは3つ「安全の確保」「信頼の確保」「医療の質の向上」
・2007年の医療安全の確保(医療法)における主要な改定内容は「医療安全支援センターの制度化」「医療安全確保の義務付け(安全管理体制の充実と強化、院内感染制御体制、医薬品・医療機器の安全管理体制の確保)」「行政処分を受けた医師等への再教育の義務化」「国 - 地方公共団体の役割の明確化」
・医療事故の概念として、「予期しない不利益な事実」がある。事故と認識されるのは、「患者が不利益と感じる事」であり、患者家族の主観的な部分の定義が重要とされる。
・所属施設の医療安全対策における医療安全委員会に関する事項に含まれるのは大きく5つあり、「褥瘡・感染・転倒委員会」「年2回の研修」「ヒヤリハット報告」「インシデント報告」「自己報告など」
・労働基準法とは「労働条件に関する総則・労働契約・労働時間などを規制する基本法」
・職業安定法とは「労働者がその能力に適合する職業に就く機会を確保し、職業の安定を図ることを目的とする法律」
・労働者派遣法とは「派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進を図ることを目的とする法律」
・雇用保険法とは「失業した者・雇用の継続が困難な者・職業訓練などを受けた者等の就職を促進する事を目的とする法律」
・就業規則とは、労働条件、服務規則などの事項を定める法律のまとめ
・セクシュアルハラスメント対策は、「事業主の義務」である。
いやー、結構量がありましたね。
今日はここまで。
次回は必須研修「循環領域」のまとめをしていきます。
ではでは。